日常を離れ、最北の島々へ
前回の記事では、「少人数で愉しむ利尻島・礼文島 3日間」ツアーについて、島の概要や魅力、注意点を時系列に沿って分かりやすく解説しました。

日本の地図の最果てに浮かぶ利尻・礼文の島々。その峻烈なまでの美しさに憧れを抱きながらも、「遠い北の地での移動は過酷ではないか」「慣れない足場に体力が追いつくか」といった不安から、旅をためらってきた方も少なくないでしょう。
しかし、真の旅の楽しさとは、厳しい自然の中に身を置きながらも、滞在そのものは淀みなく、新たな地への好奇心とともに、身体と心に安らぎを感じられる時間にあります。
今回の記事では、6月1日に初めて訪れた利尻を、これまでになく洗練された形で愉しむための特別な実体験です。不安を感動へと昇華させる、シニアのための「最北の癒やしの旅」へとご案内いたします。


旅行の事前準備
この時期の利尻・礼文島の平均気温は11度〜18度ほどです。本州の初夏とは異なり、心地よい緊張感のある涼しさがあります。ただし、強風のため、気温ほど暖かく感じられないこともあります。
- 上着: フード付きのウィンドブレーカーやフリースなど、防寒具を必ずご持参ください。
- 帽子: 風が強いため、飛ばされないような対策が必須です。
- 服装: 基本は長袖のシャツ。体温調節しやすい重ね着が理想的です。
- 靴 : ハイキング用シューズが最適です。

このほかに、日焼け止めクリームと、水などの飲み物も必ずご持参ください。
羽田空港から利尻空港へ
利尻への航空便は全日空(ANA)のみで、普段は家族で日本航空(JAL)を利用しているため、少し新鮮に感じました。
羽田空港(ANA55 9:00発)
乗り継ぎのため、新千歳空港へ向かいます。到着はほぼ定刻どおり10時半でした。ここで昼食となりますが、利尻便の出発ロビーは食事場所が少なく、本当は味噌ラーメンを食べたかったものの見当たらず、うどん定食にしました。
新千歳空港(ANA4929 12:30発)
ここから最初の目的地である利尻空港へ向かいます。13:25到着予定でしたが、強風で機体が大きく揺れ、まるでジェットコースターに乗っているようでした。この空港は日ごろから風が強く、着陸できない場合は新千歳に引き返すこともあるそうです。
利尻空港(ANA4929 13:35着)
定刻より10分ほど遅れましたが、ようやく着陸できました。着陸の恐怖から解放された空港には青空が広がり、強風の中でも利尻富士の雄姿が疲れた体を癒してくれました。あまりに素晴らしく、乗客も一斉にその姿をシャッターに収めていました。

利尻島をめぐる一周バスの旅
利尻島に到着後は、トイレ付きの専用観光バスで島を一周する観光へ出発します。


姫沼(ミニハイキング)
湧き水をせき止めて作られた人造湖で、1周800mのほぼ平坦な木道を、ガイドが高山植物を案内しながら約40分かけてゆっくり散策します。ここでも風が強く、帽子を飛ばされた方もいましたが、ときおり野鳥の鳴き声が聞こえ、癒されながら歩けました。

オタトマリ沼
アカエゾマツの原生林に囲まれた利尻島最大の湖沼です。島の南東に位置し、周囲は約1キロ。多くのカモメが飛来します。ここからは、「白い恋人」のモデルとなった利尻富士を望めます。売店では、特産品のホタテのバター焼きをおいしくいただきました。

仙法志御崎公園(せんぽうしみさきこうえん)
透明度の高い海と奇岩が広がり、海抜0メートルの海辺から荒々しくも美しい利尻山を見上げられる雄大な場所です。山と海が織りなすダイナミックな景色が魅力で、背後には利尻山の稜線がくっきりと浮かび上がります。溶岩が生み出した奇岩が点在する景勝地でもあります。


ここでは、お土産に人気の「利尻昆布ラーメン」や「利尻島とろろ昆布」などを購入しました。帰宅後にさっそく食べてみると、想像以上においしくいただけましたね。
利尻富士観光ホテル:解禁直後の海の幸
初日の宿は「利尻富士観光ホテル」です。リニューアルされた快適な和洋室(ツイン)に宿泊し、夕食には毛ガニを含む豪華な「利尻海鮮御前」をいただきました。

味覚の面でも、この時期は「黄金期」を迎えます。6月に解禁されるウニ漁の季節でもあり、利尻島での夕食に供される毛ガニとうにを含む海鮮御膳は、まさに北の美食遺産と呼ぶにふさわしい贅沢です。

おわりに:あなたはどこで風を感じますか?
利尻・礼文を巡る3日間の旅。その舞台となる初日の利尻島は、単なる旅行の記録ではなく、これまでの人生を歩んでこられたご夫婦へ贈る、自然のすばらしさを感じる時間です。重い荷物や過密なスケジュールから解き放たれ、ただ純粋に北の島々と向き合うシニア旅行になりました。
体力への不安を理由に、この日本の果ての美しさを諦める必要はありません。細部まで洗練された配慮に守られた環境があれば、一歩踏み出す勇気が、そのまま一生色褪せない感動へとつながっていきます。

可憐な花々が揺れる最北の風に誘われ、まだ見ぬ自分に出会う旅へ、出かけてみませんか。この旅は、最北の風に吹かれ、何にも縛られない『本当の自分』に会える旅になるはずです。
次回のブログでは、礼文島を中心に詳しく紹介したいと考えています。ご期待ください。
《 参考情報 》




