「恋」と「お金」の罠?急増するロマンス投資詐欺
こんにちは。最近、スマートフォンやSNSで、見知らぬ人から突然メッセージが届いたことはありませんか?これは、恋愛感情や親近感を巧みに利用して信用を得たうえで、「一緒に資産を増やそう」「将来のために投資しよう」と持ちかけ、お金をだまし取る犯罪です。
実はいま、シニア世代を狙った「ロマンス投資詐欺」が社会問題になっています。警察庁の発表によると、令和6年(2024年)の被害総額は1,268億円にのぼり、被害者の約4割が60歳以上です。
「自分には関係ない」「人生経験があるからだまされない」と思う方ほど注意が必要です。被害額は数百万円から数千万円に及ぶことも珍しくなく、「自分だけは大丈夫」と思うほど被害に遭いやすいともいわれています。
この記事では、ロマンス投資詐欺の巧妙な手口と、大切な老後資金を守るための対策を分かりやすく解説します。

■ なぜシニア世代がターゲットにされるの?
詐欺師がシニア世代を狙うのには、明確な3つの理由があります。
「資産の余裕」
長年コツコツ貯めてきた預貯金や退職金など、まとまった資金をお持ちの方が多く、詐欺グループにとって高額を狙いやすい対象になります。
「心の隙間や孤独感」
退職で自由な時間が増えたり、配偶者との離別などで交流が減ったりする時期は、特に注意が必要です。SNSで優しく声をかけられると、それが心の支えになってしまうことがあります。
「周囲へ相談しにくい」
「恋愛のことだから秘密にしたい」「騙されたと知られたら恥ずかしい」といった心理が働き、家族への相談が遅れて被害が拡大しやすい傾向があります。
■ どんな風に近づいてくる?詐欺師の巧妙な手口
詐欺師は、最初から「お金を貸して」「投資して」とは持ちかけません。数週間〜数か月、場合によっては平均8.5か月という長い時間をかけ、じっくり信頼関係を築いてきます。
出会いのきっかけはSNSやアプリ
FacebookやLINE、Instagramなどで「日本文化が好き」「間違えてメッセージを送ってしまった」といった自然な会話から始めます。最近では、有名な実業家や芸能人を装った偽広告(ディープフェイクなどAI技術の悪用)から誘導されるケースも増えています。
直接会えない理由を並べる
「海外在住の医師」「軍人」など立派な肩書きを名乗る一方で、ビデオ通話を頑なに避けたり、会う約束をしても直前でキャンセルしたりして、決して直接会おうとしません。
そして投資話へ…
親密になったタイミングで、「二人の将来のために資産を増やそう」「絶対に儲かる投資先がある」などと持ちかけます。暗号資産(仮想通貨)やFX、未公開株などがよく使われます。
■ なぜ騙されてしまう?「恋」と「お金」が交差する罠
この詐欺の怖さは、「騙されている」と気づきにくい点にあります。相手に恋愛感情を抱いたり、「頼られている」という絆を感じたりして、「助けたい」「二人の未来のために」と、自ら進んでお金を出してしまうのです。
さらに詐欺師は、まず少額の投資をさせ、偽のアプリ画面上で「利益が出ている」ように見せかけます。実際に少額を引き出させて信用させたうえで、高額の入金を要求します。

そして、全額を引き出そうとすると「税金」や「出金手数料」を名目に追加の送金を迫り、最終的には連絡が取れなくなります。
また、「これは二人だけの秘密」「他の人に言うと儲け話がなくなる」などと言って、家族や友人に相談させないようにし、孤立させるのも典型的な手口です。
■ 大切な資産を守るための「5つの鉄則」
ロマンス投資詐欺から身を守るために、次の鉄則を日頃から意識しておきましょう。
- 会ったことがない人からの「お金・投資」の話は100%詐欺!
どれほど親しく毎日メッセージをやり取りしていても、オンラインでしか知らない相手からお金や投資の話が出た時点で、例外なく詐欺だと考えてください。 - 「絶対に儲かる」「あなただけ」は疑う
投資に絶対はありません。うますぎる話や、秘密にするよう求められたら危険信号です。金融庁に登録された正規の業者かどうかも必ず確認しましょう。 - 相手の写真を画像検索してみる
送られてきた美男美女の写真や風景写真は、ネット上のフリー素材や他人の無断転載であるケースが非常に多いです。Googleの画像検索などを活用して確認してみましょう。 - 振込先を必ず確認する
相手が「企業」や「投資会社」を名乗っているのに、振込先が「個人名義の口座」だったり、毎回振込先が変わったりする場合は、ほぼ確実に詐欺です。
※ この記事の内容を分かりやすくまとめた動画もご用意しました。あわせてご覧ください。


「二人だけの秘密」と言われても、送金する前に必ず家族や友人に相談してください。一人で決めないことが最大の防衛策ですね。
おわりに:少しでも怪しいと思ったらすぐ相談を!
ロマンス投資詐欺は、人の「お金」だけでなく「心」も狙う犯罪です。恋愛感情や孤独感、将来への希望につけ込み、時間をかけて信頼関係を築いたうえで投資話へ誘導するため、誰でも被害者になり得ます。
シニア世代が大切な資産を守るには、「恋愛と投資の話が同時に出たら慎重になる」「『絶対に儲かる』『元本保証』という言葉を信じない」「投資を勧められたら必ず家族や第三者に相談する」という3つの原則を忘れないことが重要です。

ロマンス投資詐欺は、「優しさ」や「つながりを求める気持ち」を悪用する卑劣な犯罪です。「送金してしまったかも」「何だか怪しい」と感じたら、恥ずかしがらずに、すぐ行動しましょう。
やり取りのメッセージや振込記録などの証拠を保存し、速やかに警察の相談専用ダイヤルや消費者ホットラインに連絡してください。早く相談するほど、被害の拡大を防げる可能性が高まります。
安心してシニアライフを楽しむためにも、「会ったことのない相手とお金や投資の話はしない」というルールを徹底し、冷静な判断を心がけましょう。
《 参考情報 》




