庭づくり(シャクヤク編)

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「立てば芍薬、座れば牡丹…」という言葉のとおり、古くから美しい立ち姿のたとえとして親しまれてきたシャクヤク。バラの季節がひと段落する初夏、次なる庭の主役として、シニア世代の毎日に潤いをもたらしてくれるおすすめのお花です。

シャクヤクは多年草(宿根草)で、いちど植え付ければ毎年春から初夏に芽吹きます。年を重ねるほど株が充実し、花数や花のボリュームが増していくことが多い植物です。植えた年は花数が控えめでも、2〜3年かけて根がしっかり張ると、茎が太くなり、花も大きく立派になっていきます。

また、「庭がないと難しそう」と感じる方も多いのですが、実は鉢植えでも十分に大輪を楽しめます。ポイントは、根が深く伸びる性質に合わせて「深めで大きな鉢」を選ぶこと。加えて、芽(芽出しする目)が深く埋まりすぎないよう、浅植えにすることです。

置き場所を移動できる鉢植えなら、開花期は玄関先やテラスの特等席に飾って香りを楽しみ、真夏は半日陰に避難させるなど、季節に合わせた管理もしやすくなりますね。

今回は、初めての方でも失敗しにくい鉢植えでの育て方と、日々の暮らしを豊かに彩るシャクヤクの魅力を、分かりやすく解説いたします。

シャクヤクがもたらす、至福のひととき

シャクヤクの最大の魅力は、豪華絢爛な花姿と、心癒される「芳醇な香り」です。つぼみのうちは小さく硬い丸い玉ですが、開花が進むにつれてふんわりと大きく広がり、一輪咲くだけで空間の空気を一変させるほどの堂々たる存在感を放ちます

さらにシャクヤクは、「香りの女王」と呼ばれるほど香りが豊かで、バラのような甘い香りから、すずらんのような爽やかな香りまでさまざまです。

初夏の朝、ふわりと甘い香りが漂う瞬間は、まさに至福の時間。豊かな香りに包まれながら読書やお茶を楽しむ午後は、日常を彩る贅沢と言えるでしょう。

初心者にもおすすめの香り高き品種

初めてお迎えするなら、香りが良く、育てやすい以下の品種がおすすめです。「好きな色」と「香りの有無」を基準に選ぶと、育てる楽しみがいっそう膨らみます。

サラ・ベルナール

世界的に人気の定番品種。淡〜中ピンクの八重咲きで大輪になり、香りは甘く濃厚なローズ系です。切り花にも向き、株が育つほど花付きが安定しやすいため、初心者にもおすすめです。

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ドクター・アレキサンダー・フレミング

濃いローズ系の甘い香りが強めで、大輪の八重咲きになりやすい品種です。咲き進むと中心がほどけてボリュームが増し、切り花にも向きます。一方で、雨で花が重くなりやすいため、開花期は支柱を立てるか軒下へ移動し、花首を守ると安心です。

ドクターアレキサンダーフレミング
2020年 シャクヤクのドクターアレキサンダーフレミングが咲いた。めちゃくちゃキレイで庭に出るたびにテンションが上がっている。一昨年に帯広のホームセンターで売れ残っていたもの。当時植えた時にはこんなに見事な花が咲くとは想 ...

フェスティバ・マキシマ

純白の花びらに中心だけ紅が差す、気品ある名花です。香りもあり、初夏の庭や玄関先を涼しげに彩ります。白花は雨や汚れが目立ちやすいので、開花期は軒下へ移動できる鉢植えだと安心です。

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バートゼラ

少し珍しい黄色系の品種で、レモンイエロー〜クリーム色の上品な花色が魅力です。香りもあり、開花すると花径が大きく、庭や玄関先でもぱっと目を引く華やかな存在感を放ちます。茎はしっかりして比較的倒れにくい一方、花が重くなる時期は支柱を添えると安心です。

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失敗しない!鉢植え栽培の4つの秘訣

鉢植えなら、いちばん美しく咲いたタイミングで玄関やテラスの特等席へ移動できるのが嬉しいポイントです。以下の4つのコツを押さえれば、見事な花を咲かせられます。

深めの「大きな鉢」を選ぶ

シャクヤクは太い根を地中深く張る植物です。浅い鉢だと根詰まりを起こしやすいため、8号から10号程度の「深さのある大きな鉢」を選ぶことが最大の成功の秘訣です。

植え付けは「秋」に「浅植え」で

新しく苗を植えるのに最適な時期は9月下旬から10月です。ここでの最重要ポイントは「植える深さ」です。芽の先が土の表面から2〜5cm程度隠れるくらいの「浅植え」にしてください。深く植えすぎると、花が咲きにくくなってしまいます。

置き場所と水やりはメリハリを

日当たりと風通しの良い場所を好みますが、真夏の強すぎる西日は葉焼けの原因になります。春と秋はしっかり日に当て、夏場は半日陰へ移動させましょう。水やりは「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと」が基本です。

肥料と「芽かき」で、より大きな花を

大きな花を咲かせるには栄養が必要です。春の芽出し前(2〜3月)、花が終わった後のお礼肥え(6月)、そして秋(9〜10月)の年3回、肥料を与えます。

また春に複数のつぼみがついた場合は、中心の一番大きなつぼみを1つだけ残し、脇の小さなつぼみを早めに摘み取る「芽かき」を行うと、養分が集中して、より立派な大輪が咲きます。

※ この記事の内容を分かりやすくまとめた動画もご用意しました。あわせてご覧ください。

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冬のお手入れ:「枯れた」と勘違いしないで

冬になると、地上部の葉や茎はすっかり枯れてなくなります。ですが「枯らしてしまった!」と驚いて鉢をひっくり返したり、捨てたりしないでください。地中では太い根がしっかり生きており、春になれば必ず再び力強い芽を出します。

地上部が枯れてきたら地際で茎をカットし、冬の間も土がカラカラにならないよう、ときどき水やりをして春を待ちましょう。

最後に:シャクヤクのある豊かな暮らし

丹精込めて育てたシャクヤクが咲いたら、庭で愛でるだけでなく、「切り花」として室内でも楽しんでみてください。一輪挿しにして飾るだけで、お部屋がぱっと華やぎます。

また、花が満開になってから長く咲かせ続けるより、6〜7分咲きのタイミングで早めに切り取るほうが、株の体力消耗を抑えられます。開花には多くのエネルギーを使うため、切り花として楽しむことで負担が軽くなり、翌春も花付きが良くなりやすくなります。

切り取るときは、清潔なハサミで朝の涼しい時間帯に行い、花より下に葉を2〜3枚は必ず残すのがコツです。葉が残ると光合成が続き、根に栄養を蓄えられます。切り花は水切りをし、茎の下葉を取り除いてから花瓶に挿すと長持ちします。

数年後に株が大きくなったら、休眠期の秋(9〜10月)に植え替えを兼ねて株分けに挑戦できます。根を傷めにくいよう土を少し落として芽の位置を確認し、「芽が2〜3個付いた塊」を目安に分けます。

分けた株をご友人へ「香りの贈り物」としてプレゼントするのも、長く楽しめる素敵な分かち合い方です。

育てる喜びと満開を迎えたときの感動は、きっと皆様の毎日に新しい潤いをもたらしてくれるはずです。ぜひ今年の秋はシャクヤクの鉢植えに挑戦し、来春、ご自宅に「立てば芍薬」の世界を咲かせてみてはいかがでしょうか。

《 参考情報

シャクヤクとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
シャクヤクは「立てばシャクヤク、座ればボタン」といわれるように、ボタンと並んで高貴な美しさを漂わせ、豪華でエレガントな花を咲かせます。同属の植物でよく似ていますが、ボタンは木本で冬も枝が残るのに対し、シャクヤクのほうは草本で冬は地上部が枯れ...
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シャクヤクの育て方や毎年花を咲かせる管理のコツを紹介します。植え付けの深さや肥料の時期、芽かきの手順など、失敗しないためのポイントを詳しく解説。美しい大輪の花を自宅で楽しみたい方はぜひご覧ください。

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