前回は、東京発着で秋の味覚と日本の美意識を堪能する、シニア世代向けのバスツアー「信州松茸会席と昼神温泉 2日間」をご紹介しました。


今回の記事では、ツアー旅行の体験記をお届けします。東京駅丸の内北口を午前9時30分に出発し、南信州の豊かな自然と伝統文化が息づく昼神温泉を目指します。
当日は好天に恵まれ、ほぼ日程どおりに進みました。翌日は天気が一転してほとんど雨となりましたが、予定は松茸懐石と人形美術館の見学だったため、幸い、ほとんど天気の影響を受けることはありませんでした。
今回の記事では、秋深まる信州「昼神温泉」で、贅沢な味覚や幽玄な和の美意識、ダイナミックな景観に出会えます。知的好奇心も満たす、特に印象的な4つの体験をご紹介します。

松茸の概念が変わる?
「日本料理 柚木元(ゆきもと)」が魅せる特別な松茸会席
旅のフィナーレを飾る2日目の昼食は、信州が誇る食の聖地「日本料理 柚木元」へ足を運びます。
ここで堪能できるのは、地元の恵みを極限まで昇華させた120分間の「信州産松茸会席」。お店のすぐ近くで収穫された極上の地元産松茸を中心に、熟練の料理人が卓越した感性と技で仕立て上げる至高のコースです。

至高の松茸会席
香ばしさが立ち上る焼き松茸、滋味深い旨味が身体に染み渡る土瓶蒸し、松茸をふんだんに使った松茸フライや肉巻き松茸、芳醇な香りを纏った松茸ご飯など、五感を揺さぶる一皿が次々と繰り出されます。

素材のポテンシャルを最大限に引き出すための緻密な下処理と店主が目の前で調理する「焼き松茸の香りと触感」に感銘を受けずにはいられません。
店主の並々ならぬこだわりと繊細な技術から生み出される料理の数々は、これまでの松茸の概念を静かに、そして鮮やかに覆してくれるはずです。
宿の中に本物の能舞台!
「石苔亭(せきたいてい)いしだ」で体感する非日常の幽玄美
1日目の夕刻(16:00頃)に到着するのは、昼神温泉に佇む約3,000坪の広大な敷地を誇る純日本建築の宿「石苔亭いしだ」です。
二間客室(ベッド付和室ツイン)は、洗練された和の情緒と現代的な快適性が融合した静謐なプライベート空間。上質な温泉で長旅の疲れを解きほぐした後は、この宿が誇る最大の衝撃が待っています。
玄関を入ったロビー正面には、中庭を挟んで総檜造り・檜皮葺の屋根の付いた本式の能舞台がお客様を出迎えます。日本旅館で唯一、毎夜、日本の伝統文化を発信しています。

紫宸殿(ししんでん)の宴
毎夜8時30分より開演する「紫宸殿の宴」は、宿泊者であれば無料で鑑賞できる至高の文化体験です。舞台全面に設置された特等席で、本格的な能舞台で繰り広げられる伝統芸能に浸る夜は、まさに現代の日本旅館における究極の贅沢と言えます。

翌朝10時の出発まで、心満たされる優雅なひとときが約束されています。
地上80メートルの空中散歩!
「そらさんぽ天龍峡」がもたらす浮遊感
初日の午後に訪れる「そらさんぽ天龍峡」は、三遠南信自動車道の「天龍峡大橋」車道桁下に設けられた全長約280mの歩道です。巨大な現代インフラ構造物と自然美が見事に融和した、南信州を代表する絶景スポットとなっています。

地上約80mからのそらさんぽ
地上約80mの高さから見下ろすと、秋色へと鮮やかに染まりゆく天竜川のダイナミックな渓谷美が眼下に広がります。
約40分間の散策中、運が良ければ足元を優雅に行き交う川下り舟や、鉄橋を渡るJR飯田線の列車を望むことができ、まるで空中に浮かんでいるかのような独特の浮遊感と視覚的インパクトに息をのみます。

もみじなどのすでに紅葉が始まっており、11月初旬には見ごろを迎えます。また、残念ながら川下り舟やJR飯田線の列車は見ることができませんでした。

立体的造形美に息をのむ?
「川本喜八郎人形美術館」の知覚体験
2日目の午前中、歴史と文化が色濃く残る飯田市街にある「川本喜八郎人形美術館」は、旅に知的な深みを与えてくれる卓越した文化体験の場です。

人形アニメーションの第一人者として世界的に知られる川本喜八郎氏が手掛けた『三国志』などの劇中人形が一堂に会し、60分間にわたり至近距離でじっくりと鑑賞できますね。
衣装の緻密な仕立てと人形の力強い立体感
一筋の眉の傾きや衣装の緻密な仕立て、力強い立体造形に込められた圧倒的な生命感は、観る者の美意識を激しく刺激し、単なる観光の枠を超えた深い感動をもたらしてくれます。

おわりに
東京駅を午前9時30分に出発し、そらさんぽ天龍峡の雄大な絶景、石苔亭いしだでの能舞台と極上の湯、川本喜八郎人形美術館がもたらす知的な感動、そして柚木元が奏でる至高の味覚を堪能し、翌日18時30分頃に帰京する一泊二日のバス旅になりました。
こうしたバス旅は、天気に大きく左右されますが、初日は晴天に恵まれ、八ヶ岳やそらさんぽ天龍峡など壮観な景色を思う存分味わうことができました。二日目は、あいにく雨模様でしたが、幸い施設内で過ごす時間が多かったため、あまり影響を受けませんでした。

シニア世代として充実した日々を送る現代人にこそ必要な「ほんものの贅沢」を、ここ南信州で確かに感じましたね。
五感を解き放ち、心身を豊かに満たす特別な休日へ、あなたも踏み出してみませんか。
《 参考情報 》




