資金運用(2026年最新資産継承編)

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これまでの人生で築いてきた大切な財産。「まだ元気だし、相続の話はまだ早いかな」と思っていませんか?

実は、2024年から2026年にかけて、日本の相続や不動産登記に関するルールが相次いで大きく変わっています。以前の知識のままにしておくと、将来、ご家族が思わぬ手続きの負担やトラブルを抱えることもあります。

資産継承で大切なのは、節税を急ぐことではなく、ご自身と配偶者のこれからの暮らしを守りながら、家族みんなが納得できる形で準備を進めることです。

今回は、シニア世代の皆様が元気なうちに知っておきたい「円滑な資産継承の3つのステップ」を、最新の制度とともにご紹介します。

我が家の財産を「見える化」

相続準備の第一歩は、ご自身がどのような財産を持っているのかを正確に把握することです。

プラスもマイナスも一覧にする「財産目録」

預貯金や不動産、株式、生命保険に加え、住宅ローンや借入金などのマイナスの財産も、漏れなく財産目録に記録しておきましょう。

近年、特に増えているのが、ネット銀行やスマホ決済などの「デジタル遺産」です。通帳や紙の書類が自宅に残らないため、ご家族がその存在に気づかないこともあります。

利用している金融機関やサービスの名称、ログイン情報の保管場所などを整理しておくと安心ですね。

不動産は最新の確認制度を活用

ご家族が「どこにどのような土地を持っているのか把握しきれていない」という場合は、2026年2月に始まった「所有不動産記録証明制度」が役立ちます。法務局でご自身名義の不動産を一覧にして証明してもらえるため、所有状況を漏れなく確認できます。

法務省:所有不動産記録証明制度について

また、2024年3月に始まった「戸籍等の広域交付制度」を利用すれば、本籍地が遠方にあっても、最寄りの役所の窓口で戸籍謄本をまとめて請求できます。家族関係の確認も、以前より容易になりました。

戸籍の広域交付とは 「どこでも、まとめて申請!」 必要書類や注意点まで解説 | 相続会議
相続や結婚などの手続きを行う場合はそれまでの戸籍謄本を取得する必要があります。複数あった本籍地から戸籍謄本を取り寄せるには、2024年(令和6年)3月1日に始まった「広域交付制度」を活用しましょう。他管轄の戸籍謄本であっても最寄りの市区町…

家族と話し合い、希望を共有しよう

財産が見えてきたら、次は「誰に・何を・なぜ引き継ぎたいか」を家族と話し合いましょう。トラブルの多くは、金額の多寡ではなく「親の想いが伝わっていないこと」から起こります。

「想い」を言葉にして残す

配偶者の暮らしを守りたい、介護でお世話になった子に配慮したいなど、ご自身の希望とその理由を直接伝えておきましょう。

特に実家などの不動産は均等に分けにくいため、誰が住むのか、売却して現金で分けるのか、生前に方針を決めておくことが大切です。安易に共有名義にすると、将来の売却や管理をめぐって意見が分かれるおそれがあります。

また、残された家族には「遺留分」という最低限保障された権利があるため、特定の家族に偏りすぎない配慮も欠かせません。

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生前贈与と認知症対策

お孫様やお子様への生前贈与(暦年課税)は、年間110万円まで非課税です。ただし、亡くなる前の贈与を相続財産に加算する対象期間は、3年から最大7年へと段階的に延長されています。そのため、生前贈与は早めに計画を立てて進めることが大切です。

また、認知症などで判断能力が低下した場合に備え、元気なうちに「家族信託」を整えておきましょう。資産管理を家族に託すことで、口座凍結を防ぎ、柔軟な資金管理が可能になります。

家族信託とは? 仕組みやメリット・デメリットを司法書士が解説 | 相続会議
家族信託は、認知症の発症など老後に備えて、あらかじめ信頼できる家族に財産の管理や処分を任せる制度です。家族信託のメリットやデメリット、専門家に頼んだ時にかかる費用について解説しています。

法的に有効な形で確実に残そう

家族と想いを共有したら、最後は法的に効力のある形で記録に残します。

遺言書は安全な制度を選ぶ

お気持ちを確実に伝えるには、「公正証書遺言」か、法務局で遺言書を安全に保管する「自筆証書遺言書保管制度」の利用がおすすめです。どちらも家庭裁判所での「検認」手続きが不要で、改ざんや紛失の心配もありません。

なお、2026年6月にデジタル遺言「保管証書遺言」が成立しましたが、2026年10月時点ではまだ利用できませんね。

相続登記の義務化に注意!

不動産の所有者ルールは大きく厳格化されています。

相続登記の義務化(2024年4月〜)

不動産を相続したことを知った日から3年以内の申請が義務化されました(正当な理由のない違反は10万円以下の過料対象)。過去の相続分も2027年3月31日までに手続きが必要です。

放置された実家はどうなる。過去に遡及する相続登記の義務化 #雑学
2024年から2026年にかけて、日本の相続や不動産登記に関する制度は大きく変わっています。シニア世代の皆様は、元気なうちに円滑な資産継承に向けた準備を進めることが大切です。2024年4月に始まった相続登記の義務化や、2027年以降に適用さ...

住所・氏名変更登記の義務化(2026年4月〜)

引っ越しや婚姻等で住所・氏名が変わった場合も2年以内の変更登記が義務化されています(5万円以下の過料対象)。

賃貸不動産節税に激震!

2026年度税制改正では、富裕層やシニア層が活用してきた「賃貸不動産による節税策」が大きく見直されました。

2027年1月1日以降に開始する相続では、相続開始前5年以内に取得または新築した貸付用不動産(賃貸マンションやアパートなど)は、従来の路線価や固定資産税評価額ではなく、「通常の取引価額(時価)」で評価されることになります。

この見直しにより、相続の直前に賃貸不動産を購入して相続税評価額を大きく引き下げる、いわゆる「駆け込み節税」の効果は大幅に縮小しますね。

おわりに

元気な今こそ、未来への思いやりを

資産継承の準備で最も大切なのは、「まずご自身と配偶者様のこれからの生活資金や介護費用、趣味を楽しむお金をしっかり確保すること」です。そのうえで、残る資産をどう引き継ぐか考えていきましょう。

資産継承の準備は、単なる「税金を減らす作業」や「面倒な手続き」ではありません。残されるご家族が判断に迷ったり、手続きに困ったり、親族間で揉めたりしないようにするための「優しさと思いやり」です。

法律や税制は時代とともに変わりますが、変わらず大切なのは、「判断能力があるうちに準備を始めること」です。健康で元気な今だからこそ、多くの選択肢からご自身に合った方法を選べますね。

今月はまず、ノートを一冊用意して「我が家の財産と口座のメモ作成」から始めてみませんか。ご家族の笑顔と安心を守る第一歩を、今から踏み出しましょう。

《 参考情報 》

家族を守る資産承継術
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