秩父路を中心に楽しむ秋の絶景
前回の記事では、群馬県の紅葉名所から厳選した5つのスポットをご紹介しました。それぞれの特徴や見どころ、アクセス方法、周辺の観光情報などをお伝えしています。

今回は埼玉県、特に秩父地方を中心としたエリアに焦点を当てます。ドライブで訪れるのに最適な素晴らしい紅葉の名所が数多くあります。
都心から1〜2時間ほどでアクセスでき、美しい自然や文化的景観が広がるエリアです。車窓からの景色はもちろん、散策やグルメ、温泉なども組み合わせた豊かな秋のドライブ体験が楽しめます。
本記事では、埼玉県内の個性豊かな紅葉名所から、特におすすめの4つのスポットをピックアップ。それぞれの特徴と見どころ、訪問時のポイントなどを詳しく解説します。
長瀞渓谷・月の石もみじ公園
長瀞渓谷(秩父郡長瀞町)は、埼玉県を代表する紅葉景勝地です。荒川沿いの渓谷が錦秋に染まる壮大な景色が魅力です。
特徴と紅葉の景観
長瀞渓谷は、国の名勝・天然記念物に指定されています。荒川が長い年月をかけて削り出した岩畳(いわだたみ)や、ダイナミックな岩の造形美である秩父赤壁(ちちぶせきへき)が特徴的です。秋には、渓谷沿いのモミジやクヌギなどの木々が鮮やかに色づき、荒川の流れと岩石のコントラストが独特の美しい景観を生み出します。
見どころとアクティビティ
長瀞の紅葉を最もダイナミックに楽しめるのは、名物の長瀞ライン下りです。船に揺られながら川面から見上げる渓谷の紅葉は迫力があります。水面に映る紅葉の色彩も格別です。

紅葉の中心的なスポットは月の石もみじ公園で、園内の多くのモミジが紅葉のトンネルのような景色を作り出します。見頃の時期(例年11月上旬〜下旬、ピークは11月中旬頃)には夜間のライトアップが行われ、暗闇に浮かび上がる燃えるような紅葉が昼間とは違う幻想的でロマンチックな雰囲気を演出します。

また、荒川に架かる朱色の金石水管橋(かないしすいかんきょう)は穴場的な絶景スポットです。橋の上から紅葉に染まる山々を360度のパノラマビューで一望できます(車は通行不可)。

長瀞エリアは複数の紅葉スポットが近接しているため、車を停めてゆっくりと散策しながら紅葉狩りを楽しめますね。
秩父ミューズパーク
秩父市と小鹿野町にまたがる広大な公園で、イチョウ並木とモミジの紅葉という二種類の秋の景色を楽しめるのが特徴です。
特徴と黄金の並木道
秩父ミューズパークの最大の見どころは、園内のメインロード「スカイロード」沿いに約3km続く約500本のイチョウ並木です。県内屈指の黄金色のトンネルとして知られています。

スカイロードをドライブすると、道路の両脇が眩しいほどの黄色に染まり、車窓からの景色は圧巻です。散ったイチョウの葉が「黄色い絨毯」のように道路を覆い、その上をドライブしたり散策したりするのもおすすめです。また、園内を走るスカイトレインに乗って、上から並木道を眺めるのも人気です。
その他の見どころと利便性
イチョウの見頃(10月下旬〜11月上旬)が終わる頃、せせらぎ広場やパルテノン周辺ではカエデ類が赤く色づき始めます。黄色と赤の両方の紅葉を楽しめる時期があるのもミューズパークの魅力です。
高台に位置するため、展望台からは紅葉に染まる秩父の山々と秩父市街を一望できます。広大な敷地内にはスポーツ施設やレジャー施設も充実しており、家族連れやカップルなど幅広い層が一日中楽しめます。

秩父市街からアクセスしやすく、広い駐車場も整備されています。周遊道路は交通量が少ないため、のんびり景色を楽しみながらドライブできますね。
三峯神社とその周辺
奥秩父の霊峰・三峯山(標高約1,102m)の山頂近くに鎮座する三峯神社(秩父市三峰)は、関東有数のパワースポットとして知られています。
特徴と山岳紅葉の絶景
標高が高いため、秩父地方でも紅葉の見頃が比較的早く訪れます(例年10月下旬〜11月上旬)。ブナ、カエデ、ミズナラなどの広葉樹が赤や黄色に染まる様は、まさに山岳紅葉の絶景です。深い静寂に包まれた神域で色づく紅葉は、都会の喧騒を忘れさせる特別な美しさがあります。

ドライブと神社の荘厳さ
三峯神社へ向かう山道(埼玉県道278号線など)は、紅葉に囲まれたワインディングロードです。ドライブそのものが紅葉狩りとなり、標高が上がるにつれて移り変わる紅葉の色合いを楽しめます。ただし、道幅が狭くカーブが多いため、安全運転を心がけましょう。
境内の入り口には珍しい三ツ鳥居(みつとりい)があり、白い鳥居と周囲の鮮やかな紅葉のコントラストが荘厳な雰囲気を際立たせます。駐車場や境内から見下ろす山々は錦に染まり、早朝には雲海が発生することもあります。

神秘的な景色が広がる絶景ポイントです。体力に自信がある方には、紅葉の中を歩く奥宮へのハイキングコースもおすすめです。
国営武蔵丘陵森林公園
比企郡滑川町に広がる首都圏最大級の自然公園で、「日本の都市公園100選」にも選ばれています。ドライブの後、ゆったりと自然散策を楽しみたい方に最適です。多世代で楽しめる施設も充実しています。
特徴とカエデ園の魅力
約304haの広大な敷地には多種多様な落葉樹や花木が植えられており、秋には1万本を超えるモミジやカエデが鮮やかに紅葉します。毎年晩秋には紅葉ライトアップイベントも実施され、幻想的な夜の紅葉観賞が楽しめます。

最大の魅力はカエデ園(紅葉見本園)です。約500本、数十種ものカエデが織りなす色のグラデーションは絶景で、赤、黄色、橙の色とりどりの品種を楽しめます。散策するだけで癒されるでしょう。メタセコイアの並木が黄金色に染まる景色も見どころです。
容易なアクセス
関越自動車道・東松山ICから約10分とアクセスは良好です。広大な無料駐車場が複数あるため、混雑しやすい紅葉シーズンでも利用しやすいのが強みです。園内は広大ですが、サイクリングや電動カート、園内バスを利用できるため、広いエリアを効率よく巡れます。
まとめ:埼玉紅葉ドライブの魅力
埼玉県の紅葉ドライブでは、長瀞の渓谷の迫力ある自然美、ミューズパークや森林公園のスケール感あふれる広大な紅葉風景、三峯神社に代表される山岳の荘厳さと神秘的な雰囲気など、多様な魅力を一度の旅で味わえます。

紅葉の見頃は例年10月下旬から12月上旬が中心ですが、標高や地形により時期が前後します。訪れる前に最新の紅葉情報をチェックしましょう。どのスポットも駐車場や飲食施設が充実しており、家族連れや日帰り観光に最適です。
紅葉観賞に加えて、秩父温泉や地元グルメ(秩父そば、みそポテト)、フルーツ狩り(ぶどう、りんご)を組み合わせれば、秋の埼玉を一日たっぷりと満喫できるでしょう。
以前は秩父エリアを中心に紅葉ドライブを楽しんでいましたが、最近は渋滞の少ない茨城中心のドライブが多くなっています。長瀞を中心とした秩父の紅葉も素晴らしいので、ぜひ再訪したいと思っています。ぜひ、一度訪れてみてはいかってがでしょうか。
《 参考情報 》




