茨城県は山から海まで多彩な自然環境を持ち、秋には色鮮やかな紅葉景観が広がります。北部の山岳地帯、南部の平野部、東部の海岸線と、各地域で異なる表情の紅葉が楽しめます。特に内陸部の渓谷や山々では、赤・黄・オレンジに染まる木々が息をのむ景観を生み出し、ドライブ旅行の絶好スポットになっています。
これらの紅葉スポットの魅力は、深い渓谷の雄大さや名瀑の迫力、広大な山々のパノラマビューにあります。大自然と紅葉の色彩が織りなす壮観な景色は圧巻です。岩肌や清流、滝と紅葉のコントラストは写真愛好家にも人気があります。

茨城県の紅葉名所で特に人気が高いのは「袋田の滝」「花貫渓谷」「筑波山」の三大名所です。また、「ひたち海浜公園のコキア」や「竜神峡・竜神大吊橋」、水戸市の「偕楽園」も絶景スポットとして知られていますね。
本記事では、愛車でのドライブを楽しみながら訪れたい方向けに、茨城県内の紅葉スポットから厳選した3ヶ所を詳しくご紹介します。それぞれの見どころや特徴など、実体験に基づくアドバイスもお届けします。これらは個性的な魅力を持ちながらも、茨城の秋の魅力を存分に堪能できる場所です。
袋田の滝(大子町)
袋田の滝は「日本三名瀑」に約数えられ、高さ120m、幅73mの大瀑布です。 秋になると滝を取り囲む山肌がカラフルに色づき、滝の水しぶきと紅葉が視覚的なコントラストを保ちます。 茨城県北部の大子町に位置し、紅葉シーズンは11月上旬から半ばが見頃です。
見どころ
- 観瀑トンネル:岩肌を削った通路から滝に接近でき、迫力ある滝と紅葉の対比を間近で体感できます。朝日が差すと水しぶきに虹が現れることも。
- 第二観瀑台:ガラス張りエレベーターで上る展望台から滝上部を間近に観察。滝と紅葉の壮大な競演は写真撮影の絶好ポイントです。
- 周辺環境:「恋人の聖地」認定の吊り橋から久慈川の清流と渓谷美を堪能できます。車で15分の奥久慈温泉郷でドライブの疲れを癒し、奥久慈しゃもや常陸牛など地元グルメも満喫できます。
- ライトアップ:11月中旬の特定期間は夜間ライトアップを実施。金色や赤色に照らされる紅葉と青白い滝のコントラストが幻想的で、写真映え抜群です。
私見
- 展望台からは迫力満点の滝と紅葉を一度に楽しめます。
- 滝近くの散策路では、モミジやカエデの鮮やかな紅葉を間近で鑑賞できます。
- ライトアップ時期には、夕暮れの幻想的な紅葉と滝の融合が素晴らしい写真スポットになります。
- 周辺には「月待ちの滝」や久慈川沿いの自然豊かな風景もあり、秋のドライブコースとして最適です。

花貫渓谷(高萩市)
高萩市の花貫渓谷は、約7kmの渓谷沿いの車窓や散策路から紅葉が楽しめるスポットです。渓谷の赤や黄色、オレンジの鮮やかな彩りが川面に映え、清流と切り立った岩肌が織りなす渓谷美が特徴です。「奥久慈三大紅葉」の一つに数えられる県内有数の名所となっています。

見どころ
- 紅葉のトンネル:渓谷の中心にある長さ約60mの汐見滝吊り橋が最大のハイライトです。紅葉の時期には、両側から張り出したモミジやカエデの枝葉が頭上を覆い、まるで紅葉のトンネルの中を歩いているかのような幻想的な体験ができます。
- 水面の映り込み:花貫川の清らかな流れと紅葉のコントラストが見事です。川沿いの遊歩道からは透き通る水面に紅葉が映り込む幻想的な景色に出会えます。特に名馬里ヶ淵(なめりがふち)では、水面に映る紅葉が鮮やかに浮かび上がります。
- ドライブ:車で渓谷沿いを走るドライブコースからの眺めは圧巻です。花貫ダム周辺は紅葉スポットが多く、駐車場も整備され散策しやすいエリアになっています。周辺には花貫温泉郷もあり、見頃は例年11月中旬から下旬です。
私見
- 渓谷沿いのドライブコースからの眺めは圧巻です。滝や岩肌と紅葉の組み合わせが迫力満点の景観を生み出しています。
- 特に「花貫ダム」周辺は紅葉ポイントが集中しており、駐車場も完備されているため散策がしやすいです。
- 渓谷散策路では静かな自然の中で、ゆっくりと紅葉狩りを楽しめます。
- 周辺の温泉地(花貫温泉郷)がドライブの疲れを癒やしてくれます。
筑波山(つくば市)
筑波山は標高877mで関東平野の展望が広がる人気の登山・観光スポットです。山頂付近のブナやモミジの紅葉は11月上旬から下旬が見頃で、ケーブルカーやロープウェイを利用すれば気軽に紅葉を楽しめます。山の自然と紅葉のパノラマビューは、ドライブで訪れる方にも最適です。
見どころ
- アクセス:ケーブルカーやロープウェイで体力に自信がない方でも山頂まで楽に移動でき、標高約870mからの景色が楽しめます。お年寄りやお子様連れにも最適で、山の自然と紅葉のパノラマビューを満喫できます。
- 眺望:山頂からは関東平野が360度見渡せ、晴れた日には東京スカイツリーや富士山も見えます。秋の澄んだ空気の中での眺めは格別です。夕暮れには茜色に染まる平野と紅葉の美しさ、夜には宝石のように輝く夜景が広がります。
- 紅葉スポット:筑波山神社周辺と「もみじ谷」の紅葉が人気です。神社には樹齢数百年のもみじやカエデが立ち並び、「もみじ谷」では透き通るような紅葉を楽しめます。山麓には科学館や温泉施設もあり、紅葉狩りと温泉を組み合わせたドライブが可能。見頃は11月上旬から下旬まで長く楽しめます。
私見
- 筑波山神社周辺の紅葉や、「もみじ谷」の淡い紅葉は特に見応えがあります。
- 山頂からは関東平野の広大な眺めが楽しめ、夕焼けや夜景も息をのむほど美しいです。
- 山麓のつくば市内には観光施設や温泉もあり、秋のドライブ旅として充実したプランが立てられます。

その他の紅葉の名所
竜神峡・竜神大吊橋(常陸太田市)
常陸太田市に位置する竜神峡は、V字型の美しい渓谷で、その渓谷にかかる竜神大吊橋が有名です。歩行者専用の吊り橋としては日本有数の長さを誇ります。長さ375m、湖面からの高さ100mの竜神大吊橋からは、紅葉に染まった竜神峡を360度のパノラマで一望できます。紅葉のピーク時には、渓谷全体が錦の絵巻物のような圧巻の美しさを見せてくれます。
偕楽園(水戸市)
偕楽園は徳川斉昭が開園した名園で、梅の名所として知られていますが、秋のカエデやイチョウの美しさも格別です。日本三名園に数えられるこの庭園では、好文亭や竹林周辺の紅葉が特に見どころです。古風な建築と紅葉の調和が歴史的雰囲気と季節感を引き立てています。夜間には「もみじ谷」がライトアップされ、赤や橙のグラデーションが幻想的な世界を作り出します。
ひたち海浜公園(ひたちなか市)
ひたち海浜公園は春のネモヒラだけでなく、秋のコキアも名物です。みはらしの丘一面が真っ赤に染まるこの秋の風物詩では、約4万本の丸いコキアが10月中旬以降に見頃を迎えます。緑から赤へと変化するグラデーションやコスモスとの共演も魅力的ですが、紅葉のピーク期間は約1週間と短いため、訪問前に公式サイトで開花状況を確認することをお勧めします。

最後に
茨城県北部の「袋田の滝」と「花貫渓谷」は、渓谷美と水の景観が紅葉に彩りを添え、雄大な自然の美しさを楽しめるスポットです。いずれも秋の紅葉がピークを迎える11月上旬から中旬が訪問適期で、ドライブと散策、温泉体験も兼ねた日帰り旅行に最適です。

茨城県の紅葉スポットは、滝、渓谷、大吊橋、庭園といったダイナミックで多彩な景観が魅力ですね。以下が、紅葉を楽しむための注意点となります。
- 訪問適期:ほとんどのスポットは、11月上旬から中旬が紅葉の見頃です。花貫渓谷や竜神峡では11月下旬まで美しい景色を楽しめることもあります。
- 混雑対策:秋の行楽シーズンは混雑が予想されるため、平日の早朝の出発がおすすめです。安全運転を心がけ、出発前に最新の交通情報と紅葉情報を確認しておくと安心です。
- 準備:冬に向けて冷え込むため、十分な防寒対策を忘れずに準備しましょう。
山深い雄大な自然を堪能したい方は「袋田の滝」や「花貫渓谷」へ、紅葉散策やハイキングを楽しみたい方は「筑波山」など、目的に合わせて選ぶことで満足度の高いドライブ旅行になるでしょう。
茨城の豊かな自然が織りなす色鮮やかな紅葉と美しい景観を存分に楽しんでください。
《 参考情報 》

