前回は、車で巡る旅の魅力をお伝えしながら、星野リゾート「界 アラジン」の上質なおもてなしと特別な雰囲気、そして周辺の観光名所「大室山」の四季折々の自然美と絶景スポットをご紹介いたしました。

今回は、5月12日、13日に訪れた「界 鬼怒川」での滞在体験についてご紹介いたします。前編では、初日の思い出を時系列でお届けします。都心から鬼怒川への道のりには、東北自動車道を使うルートと、常磐自動車道から北関東自動車道へ繋ぐルートがあります。どちらも季節ごとの素晴らしい景色を楽しめます。
私たちは常磐自動車道・北関東自動車道ルートを選び、途中、大谷資料館に立ち寄り、道の駅「うつのみや ろまんちっく村」で休憩を取ってから「界 鬼怒川」へ向かいました。天候は曇りで時折小雨が降りましたが、視界は良好で快適なドライブとなりました。

それでは、初日に訪れた各スポットの見どころと、温泉旅館「界 鬼怒川」での特別な体験を、写真とエピソードを交えながらご紹介していきますね。
大谷資料館
大谷資料館は、栃木県宇都宮市大谷町にある大谷石の採掘場跡を利用した資料館です。広さ約2万平方メートル、深さ30メートルに及ぶ巨大な地下空間は、まるで地下神殿のような神秘的な雰囲気を醸し出しています。

歴 史
大谷石は江戸時代中期から採掘が始まり、軽量で加工しやすい建材として広く使用されました。大正8年から昭和34年まで手掘りで採掘され、その跡地が現在の地下空間です。戦時中は軍需工場や米の保管庫として使用され、昭和54年に資料館として公開されました。
見どころ
地下採掘場跡には手掘り時代のツルハシの跡や機械掘りの整然とした岩肌が残り、採掘方法の違いを見ることができます。年間平均8℃の涼しい坑内は幻想的な照明で演出され、コンサートや美術展の会場、映画のロケ地として活用され、冬季は地下チャペルでの結婚式も行われています。
展示内容
資料館では、大谷石の地質や採掘方法、採掘道具などの展示を通じて、大谷石の歴史と文化を学ぶことができます。また、現代アート作品の展示や、手掘り時代を再現した人形なども見どころです。
見学情報
- 開館時間: 4月~11月 9:00~17:00(最終入館16:30)、12月~3月 9:30~16:30(最終入館16:00)
- 休館日: 4月~11月 無休、12月~3月 毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入館料: 大人 800円、小・中学生 400円
大谷資料館は、自然が作り出した壮大な地下空間と、人々の営みが刻まれた歴史を感じることができる独特な観光スポットです。

昼食は、この近くにあるロックサイドマーケットで、那須御養卵を使用したオムライスのランチジェラートセットをいただきました。特にジェラートが美味しかったですね。

道の駅「うつのみや ろまんちっく村」
道の駅「うつのみや ろまんちっく村」は、宇都宮市の滞在体験型ファームパークです。東京ドーム約10個分の敷地には、農産物直売所「あおぞら館」、レストラン、温泉、プール、宿泊施設、体験農場、森遊びエリア、ドッグランなどを備えています。
魅力
- 豊富な買い物スポット: 「あおぞら館」では、新鮮な地元野菜や果物、お土産品が豊富です。特に宇都宮餃子や地元の銘菓は人気があります
- 多彩な食体験: レストランでは地元食材を活かした里山料理や、宇都宮産二条大麦のクラフトビールを楽しめます。パン工房では焼き立てパンも提供しています。
- 癒しの温泉とプール: 天然温泉「湯処あぐり」には露天風呂があり、ゆったりとくつろげます。年中利用可能な温水プール「アグリスパ」には、サウナとジャグジーも完備されています。
- 自然との触れ合い: 10haの「森のエリア」には散策路や遊具があり、自然を満喫できます。季節の花壇や体験農場での収穫体験も魅力的です。
- 様々な体験プログラム: パン作りや農業体験など、子供から大人まで楽しめる体験プログラムを用意しています。
施設
- 集落のエリア: あおぞら館(農産物直売所、お土産)、レストラン、パン工房、フードコート、クラフトブルワリー、温泉宿泊棟「ヴィラ・デ・アグリ」(温泉、プール)、多目的ドーム「ローズハット」
- 森のエリア: 散策路、ポケットパーク(遊具)、ヒーリングフォレスト「みのりの森」
- 里のエリア: ろまんちっくファーム(体験農場)、芝生広場、ドッグラン
道の駅「うつのみや ろまんちっく村」は、地元の食、自然、温泉を満喫できる魅力的なスポットです。家族連れ、カップル、友人同士など、幅広い層に人気があり、宇都宮ICからのアクセスも便利です。
界 鬼怒川
星野リゾートが運営する温泉旅館「界 鬼怒川」は、栃木県日光市の鬼怒川温泉に位置し、その土地ならではの文化や自然を活かした魅力的な滞在を提供しています。以下に、主な特徴をご紹介します。

自然に包まれた静かな環境
鬼怒川の渓流沿いの小高い丘に位置する「界 鬼怒川」は、喧騒を離れた静謐な空間です。スロープカーでエントランスへ向かう時から、非日常の世界が始まります。
とちぎ民藝が息づく空間
界 鬼怒川は「モダンなとちぎ民藝と木漏れ日の湯宿」をコンセプトとしています。館内には栃木県で育まれてきた伝統工芸品が調和よく配され、温もりと洗練された美しさが漂います。
- ご当地部屋「とちぎ民藝の間」: 全48室の客室には、益子焼や黒羽藍染など栃木の伝統工芸品を取り入れたモダンなデザイン。大きな窓からの自然景観と民藝品が調和し、一部客室には森を望むテラスや温泉露天風呂も完備。
- 中庭: 施設中心部には四季折々の自然を楽しめる中庭が広がり、回廊からの眺めも格別。夜間はライトアップで幻想的な雰囲気に。
- ロビー・ライブラリー: 益子焼の展示や栃木の文化に関する書籍を備えたスペース。コーヒーを楽しみながら読書ができ、益子焼の豆皿ギャラリーも見どころ。
鬼怒川の自然を堪能する温泉
「傷は川治、火傷は滝(鬼怒川)」と古くから親しまれる鬼怒川温泉は、肌に優しく、長湯でも疲れにくい泉質が特徴です。「界 鬼怒川」では、趣の異なる温泉体験を用意しています。

大浴場への回廊は、周囲の自然と調和した日本建築の美しさを感じさせます。夜には灯篭の柔らかな明かりが木材の温もりを引き立て、自然と溶け合うような風情を醸し出しますね。
- 大浴場: 大きなガラス窓からは鬼怒川の四季折々の景色を一望でき、開放的な湯浴みが楽しめます。春の桜、秋の紅葉など、季節ごとに異なる風情を満喫できます。
- 露天風呂: 自然に囲まれた露天風呂では、心地よい風を感じながらゆったりと温泉に浸かれます。夜には星空を眺めながら、静寂の中で癒しのひとときを。
- 湯上がり処: 栃木の伝統工芸品である黒羽藍染のクッションやうちわを配した寛ぎの空間。湯守りこだわりのご当地ドリンクやアイスキャンディーで、温まった体を優しく冷やせます。
栃木の食文化を味わう会席料理
夕食では、栃木の豊かな自然と風土が育んだ旬の食材を使用した会席料理を提供。一品一品丁寧に仕上げられた料理は、見た目も美しく、奥深い味わいです。
- 益子焼の器: 料理は、地元の益子焼の器で提供されます。それぞれの料理に合わせて選ばれた個性豊かな器は、料理の美しさを一層引き立て、目と舌で楽しむことができます。
- ご当地の味: 栃木名産の食材や郷土料理のエッセンスを取り入れた会席料理で、その土地ならではの味わいを堪能できます。季節ごとに内容が変わり、新しい発見があります。
地域文化に触れる「ご当地楽」
界ブランドならではの、土地の文化や魅力を体験できる「ご当地楽」も、大きな特徴です。
- 益子焼ナイト: 「益子焼マイスター」が、益子焼の歴史や特徴、器の楽しみ方を紹介。実際に器に触れながら、その魅力を体感できます。
- 黒羽藍染体験: 藍染の歴史や技法を学び、ハンカチなどの染色体験ができます。藍の深い色合いと、手仕事の温かさに触れられます。


豊かな自然に包まれたこの場所では、夕暮れ時から朝までの美しい風景とともに、ゆったりとした時間の中で心身をリフレッシュできますね。
おわりに
星野リゾート 「界 鬼怒川」は、栃木の伝統工芸をモダンに取り入れた温泉旅館です。民藝品と現代的な空間デザインが調和し、四季の自然を望む温泉と地元食材の会席料理を楽しめます。「ご当地楽」プログラムで地域文化も体験でき、日本の美意識と自然の恵みを堪能できる場所です。
この旅館は、特にシニア世代や和の文化に造詣の深い外国人の方々から高い評価を得ています。界アンジンと比較しても、和のエッセンスがより際立つ空間演出が魅力です。建物を囲む数多くのモミジは、紅葉シーズンになると圧巻の景観を織りなし、多くの宿泊客の心を捉えています。その美しさは、まさに日本の秋を代表する風景といえるでしょう。
加えて、鬼怒川温泉地域には見どころが豊富です。荘厳な華厳の滝、奇岩怪石が連なる龍王峡、スリル満点の鬼怒川ライン下りなど、自然が織りなす壮大な景観を楽しめる観光スポットが充実しています。これらの観光名所はそれぞれに独自の魅力があり、訪れる人々に深い感動を与えています。
日々の喧騒を離れ、心安らぐ温泉旅行をお考えの方には、ぜひ鬼怒川温泉への旅をお勧めします。この地で過ごす時間は、必ず心に残る思い出となるでしょう。次回は、鬼怒川周辺のより詳細な魅力について、後編でお届けする予定です。どうぞご期待ください。
《 参考情報 》
