さようなら、にっぽん丸。初めてのクルーズで学んだこと、感じたこと。
商船三井クルーズ株式会社のクルーズ船「にっぽん丸」は、2026年5月10日に横浜へ帰着するクルーズをもって引退することが決定しています。
本記事は、初めての連泊クルーズ、そして夫婦で初めて乗船した「にっぽん丸」の船旅体験記・前編です。横浜を出航してから船内で過ごした時間、客室や食事の印象、そして初日から直面した船酔いと寝不足といった“現実”まで、良いことも大変だったことも包み隠さず綴っていきます。

これから乗船を考えている方が、旅の雰囲気を具体的にイメージできる内容を目指します。
船酔いや寝不足、つい食べ過ぎてしまったことなど、身体的にはかなりハードな面もありました。ですが、そうした「綺麗事だけではないリアルな体験談」こそが読者にとって最も価値があり、共感を呼ぶコンテンツになるはずです。
とりわけ同世代の読者にとっては、豪華な食事の裏側にある体調管理や揺れへの対策といった“生の声”が、とても貴重な情報になると思います。それでは、これから始まる新たな3泊4日の前半の船旅へ、ご案内します。
最後の「にっぽん丸」の日程と賢い乗船術
いつかは豪華客船の旅へ。シニア世代の皆様も、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
私たち夫婦は商船三井と日本郵船の株主でもあり、株主優待を活用すると、商船三井は20%、日本郵船は10%の割引を受けられます。この優待を利用したクルーズを探していたところ、「にっぽん丸 春の船旅」~食とワインのマリア―ジュ~を運よく予約することができました。
航海スケジュール概要(4/1~4/4 4日間・全食事付)
| 日付 | 寄港地 | 到着 | 出発 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 横浜 | – | 17:00 | 乗船受付・出航・船内イベント | – |
| 4/2 | 浜島 | 08:00 | 17:00 | 自由行動・寄港地観光ツアー等 | 風の影響で上陸中止 |
| 4/4 | 清水 | 08:00 | 18:00 | 自由行動・寄港地観光ツアー等 | 三保の松原 |
| 4/4 | 横浜 | 09:00 | – | 入港・チェックアウト後下船後、解散 | – |
さらに、2026年5月10日ににっぽん丸が引退する—そのニュースを知ったとき、「いま乗らなければ一生後悔する」と心が動きました。デラックスベランダ室、2名で約84万円。決して安くはありませんが、これがにっぽん丸との「最後の春」になるはずです。

実際は、約84万円の20%引きなので、約67万円になります。とてもお得感がありますね。
横浜港を出航する際の銅鑼(ドラ)や胸の高鳴りとともに、にっぽん丸クルーズで過ごす実体験をお届けします。なお、にっぽん丸クルーズの概要も動画で用意しましたので、ご覧ください。

1日目:4月1日(水)☂雨
横浜出航 〜期待と不安が入り混じる乗船〜
乗船日はあいにくの雨でしたが、雨に煙る横浜港と銅鑼の音、ベイブリッジをくぐっていく出航シーンに胸が高鳴りました。

客室は「デラックスベランダ」。広さとバスタブに心が弾み、灰色の東京を眺めながら「これから海へ出る」という実感がいっそう深まりました。

乗船初めてのディナー
この日は和食中心のコース料理でした。前菜は合鴨味噌焼きなどの焼き物、鹿児島産カンパチのお刺身、銀鱈の西京焼き、和牛のほほ肉の角煮、紅はるかと山菜おこわ、食後はデザートという内容です。飲み物は体調不良もありお酒は控え、ほうじ茶と、食後にコーヒーをいただきました。


食事は軽めで、全体的に美味しくいただけました。にっぽん丸名物のひとつ「ローストビーフ」(無料)は、明日のディナーで頼むことにしました。
イベント参加
夕食後、ラウンジで開催された古今亭菊乃丞師匠による寄席へ足を運びました。波の音を背景に、上品で艶やかな落語に耳を傾けるひとときは、まさに大人のための贅沢な時間でした。 その後、世界的ソムリエ・田崎真也氏によるペアリングディナー講演会にも参加しました。選び抜かれたワインと料理の組み合わせは格別で、一口ごとに新しい発見があるとのことでした。

寄席を聴いた後は体調がすぐれず、ベッドで休んでいました。講演会は妻が参加しました。
船酔いと寝不足のリアルな現実
初めての連泊クルーズならではの感覚に戸惑い、なかなか寝付けない夜が始まりました。揺れによる睡眠不足のつらさに加え、船酔いの症状も出て、気持ちが悪くなり、頭痛もしました。
持参した酔い止め薬や睡眠導入剤のほか、船内で風に当たったり、横になったりして対応しました。「連泊クルーズには適応力がいる」ということを実感しました。
2日目:4月2日(木)☀晴
浜島上陸中止 〜想定外の一日〜
今日は前日と打って変わって晴天です。浜島へは小型船で上陸する予定でしたが、強風で安全に支障があるため、上陸は中止となりました。その結果、楽しみにしていたオプショナルツアーもすべてキャンセルとなりました。
朝、体調は徐々に回復しました。揺れと寝不足で足取りは少し重いものの、気分はかなり良好でした。ですが、強風が収まらず上陸できないと分かり、落ち込みました。「下船できない」からこそ生まれた時間として、静まり返った船内を散策し、運動不足を解消しました。

静かな船内での昼食と散策。適度な散歩となり、これはこれで良い気分転換になりましたね。
好転:二日目の夜
夜になり、外洋に出たあたりから感じ始めた「揺れ」は、英虞(あご)湾の浜島沖に停留してから波が弱まり、少しずつ収まっていきました。
この日のディナーは、品数も質も豪華でした。前菜は、さざえなどの海の幸、新鮮な各種マグロの刺身、さわらの煮つけ、和牛のひれステーキ、山菜の天ぷら、海藻のもずく和え、名物のローストビーフ、タケノコ御飯とハマグリのお吸い物、そして食後のデザートです。


名物のローストビーフはとても美味しかったですね。飲み物は、ゆずのビールとジンジャーエール、食後にほうじ茶をいただきました。
食べ過ぎた自覚もあり、「健康に気をつけていたはずなのに……」という葛藤がよぎりました。それでも、美味しい食事で満たされた満足感が、その自覚を上回ってしまいました。

ディナーでは、お隣のテーブルの方々と話がはずみ、長時間、楽しく過ごすことができましたね。
おわりに:出航の興奮と美食の罠と夜の試練
豪華客船の旅は、パンフレットにあるような優雅な時間だけではありません。自然という巨大な力の上で過ごす以上、天候だけでなく、揺れによる睡眠不足や船酔いといった「身体的な負荷」も確実に存在します。
初めて連泊クルーズを経験し、同世代の皆様に一つお伝えできるとすれば、「クルーズ旅行には、非日常を楽しむ好奇心に加え、環境の変化に対する『適応力』が不可欠である」ということです。
本編では、株主優待を活用した賢い旅の手配から入り、美食の素晴らしさ、そして思いがけない船酔いの始まりまでを描きました。果たして体調はこのまま回復するのか。引退を控えたにっぽん丸は、翌朝どんな景色を見せてくれたのか。

2日目の浜島上陸中止というハプニングは、英虞湾遊覧船などのオプショナルツアーを申し込んでいただけに、とても残念でしたね。
後編では、3日目・三保の松原の感動と夜のディナー~食とワインのマリア―ジュ~を中心にお届けします。どうぞ楽しみにお待ちください。
《 参考情報 》



