前回の記事では、家族でよく訪れた関東甲信越地方の「高原タイプの避暑地」をご紹介しました。この地域には標高の高い場所が多く、夏でも涼しい気候を楽しめる魅力的なスポットが点在しています。四季折々の自然の変化を感じられるのも、これらの避暑地の大きな魅力です。

避暑地としては、以前この連載で取り上げた「海辺タイプ」の勝浦や高萩が関東地方では有名です。これらの海辺の避暑地では、海からの爽やかな潮風が暑さを和らげてくれるだけでなく、海水浴や磯遊びなどのアクティビティも楽しめます。波の音を聞きながらのんびり過ごす時間は、心身のリフレッシュに最適です。
今回は、印象的な「湖畔タイプの避暑地」をご紹介します。水辺では涼やかな風が吹き、心地よい涼しさを感じられます。湖の透明な水面が太陽光を反射する様子は目にも涼しさを与えてくれます。遊覧船やボート体験で涼しさを満喫でき、周辺の散策も楽しめます。湖畔の遊歩道では、木漏れ日の中で鳥のさえずりを聞きながら、穏やかな時間を過ごせるでしょう。
自然の静けさと涼しさで夏の暑さを忘れませんか。湖畔の避暑地は誰もが楽しめる場所で、特にシニア世代には適度な運動と自然の癒しを同時に得られる理想的な環境です。湖面に映る山々を眺めながらのんびり過ごす時間は、日常では味わえない贅沢な体験となるでしょう。
湖畔の人気エリア
特に、以下の三カ所は訪問した中で印象深く、避暑地として最適です。これらの湖畔地域は涼しい環境だけでなく、豊かな自然、多様なアクティビティ、リフレッシュできる穏やかな雰囲気も提供しています。

何年前の訪問でも、その魅力は鮮明に記憶に残り、特にシニア世代に過ごしやすい環境が整っていますね。
奥入瀬渓流・十和田湖(青森県・秋田県)
十和田湖から流れ出る奥入瀬渓流は、緑豊かな森林の中に位置する美しい自然の宝庫です。深い緑に覆われた岩肌には柔らかな苔が生え、清らかで透明感のある水が絶えず流れています。
渓流沿いの散策路は季節ごとに表情を変え、木々が作る心地よい木陰と水音に包まれながら、真夏でもひんやりとした空気を肌で感じることができます。マイナスイオンを豊富に含む空気が、都会の喧騒で疲れた心身を癒してくれるでしょう。
神秘的な火山湖である十和田湖では、遊覧船に乗って湖上から絶景を眺められます。水辺から吹き抜ける涼やかな風を全身で感じながら、夏の暑さを忘れる贅沢なひとときを過ごせます。奥入瀬渓流と十和田湖は、夏の避暑地として理想的な環境を提供する、東北地方を代表する自然スポットです。

奥入瀬渓流の散策は最高の体験です。涼しい空気が夏の暑さを忘れさせてくれますね。サイクリングでの周遊もおすすめの楽しみ方です。
箱根(神奈川県)
首都圏からわずか約1時間半でアクセスできる人気の観光地です。標高が高いため、夏でも比較的涼しい気候を楽しめます。芦ノ湖では海賊船や遊覧船「SORAKAZE」に乗って湖上から箱根の山々を眺められ、水面から吹き上げる爽やかな風が暑さを和らげてくれます。
彫刻の森美術館では、緑豊かな自然の中に配置された現代アートを鑑賞しながら散策できます。また、仙石原湿原ではススキや季節の草花が広がる開放的な景観を楽しめます。四季折々の花々が咲き誇る強羅公園や、硫黄の香りが漂う大涌谷など見どころも豊富で、自然とアートが絶妙に融合した涼しいスポットが点在しています。
温泉地としても有名で、観光後には温泉で疲れを癒せます。日帰りでも十分楽しめますが、宿泊すれば朝夕の涼しい時間帯にゆったりと散策を楽しむこともできるでしょう。

この場所は改めて紹介するまでもなく、シニア世代の方々にはなじみ深い観光地でしょう。夏季に訪れる際は、遊覧船が特におすすめです。湖上から感じる風はとても清々しく、心地よい涼しさを味わえますね。

富士五湖周辺(山梨県・静岡県)
富士山の麓に広がる五つの湖(河口湖、山中湖、西湖、精進湖、本栖湖)周辺は、標高の高さと豊かな自然環境により、理想的な避暑地となっています。湖面を渡る爽やかな風が心地よく、夏でも比較的涼しく過ごせます。
湖の水面が太陽光を反射する様子は目にも涼しさを与え、周囲の森林からは清々しい空気が漂います。遊覧船やカヌー、SUPなどの水辺アクティビティを楽しめるほか、整備された湖畔でのサイクリングや散策路でのウォーキングも人気です。
また、富士山の雄大な景色を眺めながら過ごせる周辺の高原施設では、軽井沢に負けない快適な避暑体験ができます。五つの湖にはそれぞれ異なる魅力があり、何度訪れても新たな発見があるでしょう。

これらの場所も多くの方が一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。私自身は以前、一日かけて富士五湖を巡った経験があります。周辺には白糸の滝や忍野八海などの名所が点在し、涼しい気候と豊かな自然が魅力の避暑地です。
避暑地選びの重要ポイント
湖畔の避暑地選びでは、単なる「涼しさ」だけでなく、様々な要素を総合的に考慮することで、より快適な避暑体験ができます。事前にこれらを検討しておくと、満足度の高い選択ができるでしょう。
- 水辺のアクティビティの充実度: 水辺は避暑に重要です。遊覧船、ボート・カヌー、SUPなどのアクティビティが充実した場所がおすすめ。水辺周辺のサイクリングロードや遊歩道も、風を感じながら涼しさを満喫できます。
- 森林環境: 森林は自然の空調として機能し、木々が日差しを遮り、蒸散作用で周囲に水分を放出。これにより森林内は周辺より数度低い気温となり、心地よい涼しさを提供します。
- アクセスの利便性: 自宅からの距離や交通手段を事前に検討しましょう。移動時間が長すぎると疲労がたまります。公共交通機関の運行頻度や、駐車場の有無、渋滞情報なども確認しておくとスムーズです。
- 旅行の目的と期待値: アクティブに過ごしたいか、静養したいか、文化施設を巡りたいかなど、主目的に合わせて最適な場所を選びましょう。同行者の希望や体力も考慮すると、全員が満足できます。
- 宿泊施設の充実度と特徴: 長期滞在なら、宿泊施設の選択肢、設備、サービス内容も重要です。冷房、露天風呂、レストラン、Wi-Fi環境、眺望なども快適さに影響します。周辺の飲食店やコンビニなどの生活施設の有無も大切です。
最後に
今回の記事では、特に印象に残った「湖畔の避暑地」をご紹介しました。透き通る水面と涼やかな湖風が特徴的な湖畔エリアは、水辺でのレジャーを楽しみたい方や自然の中でアクティブに過ごしたい方にとって理想的な避暑地です。

湖が好きでアクティビティを楽しみたい人には、まさに打ってつけの環境といえるでしょう。
関東地域では霞ケ浦が有名な湖ですが、真夏はあまり涼しくなくアクティビティも限られています。水面は広がっているものの、周辺の地形や標高の関係で熱気がこもりがちで、夏場は湿度も高くなります。
全国各地には多くの湖がありますが、周辺環境や気候条件によっては避暑地として適していない場所も少なくありません。避暑地として選ぶ際には、標高や周囲の森林環境なども考慮するとよいでしょう。
梅雨も明け、今年も猛暑が予想されますが、暑さを避けて心地よく過ごせる場所として、湖畔の宿を訪れてはいかがでしょうか。水面からの涼しい風を感じながらのんびり過ごす時間は、日常の喧騒から離れた特別なひとときを提供してくれるはずです。
さあ、この夏は湖畔で爽やかな休日を楽しみましょう。
【 参考情報 】


