庭づくり(ケイトウ属植物編)

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ヒユ科ケイトウ属植物は、熱帯・亜熱帯地域に約30~60種が自生し、数千年にわたり人類の文化に彩りを添えてきました。現在の庭園で親しまれているのは、美しい葉色が特徴のノゲイトウと、鮮やかな花姿のケイトウの2種です。どちらも世界中で古くから観賞用として栽培されています。

この2種は真夏の厳しい環境下でもたくましく育ち、痩せた土壌でも生育できるため、初心者にも扱いやすい丈夫な植物です。夏の暑さの中でも次々と花を咲かせる生命力は日本の気候に適応し、病害虫にも強いため、忙しい現代人にとって理想的な園芸植物です。

ケイトウは豪華で存在感ある花姿で庭の主役となるのに対し、ノゲイトウはより繊細で優雅な印象を与え、他の花々との調和を図りながら脇役としての役割を果たします。両者の特性を理解し、それぞれの魅力を活かした植栽計画で、表情豊かな庭づくりが可能です。

本記事では、両種の特徴と違い、育て方と楽しみ方を紹介します。また、様々な庭のスタイルに合わせた活用法や、相性の良い植物との組み合わせについても触れていきます。

ケイトウの魅力と特徴

「ケイトウ」は、漢字で「鶏頭」と書く通り、ニワトリのトサカに似た独特な形の花を咲かせるのが最大の特徴です。この個性的な姿から、存在感のある花として古くから親しまれてきました。

  • 花の形: 花びら一つひとつが小さく、それが集まってトサカ状や、脳みそのように複雑な球状、あるいは炎のように立ち上がるヤリ状になります。このダイナミックな造形は、見る人に強い印象を与えます。
  • 色と質感: 赤、黄、オレンジ、ピンクなど、ビビッドな色が多く、ベルベットのような光沢と質感を持つ品種もあります。
  • 存在感: 1輪が大きくボリュームがあるため、花壇ではメインのアクセントとして、また切り花としても花束やアレンジメントの中心的な役割を果たします。

代表的な品種

  • トサカケイトウ: 鶏のトサカに似た特徴的な形状を持ち、鮮やかな赤色や黄色で花壇に存在感を放ちます。日本では江戸時代から親しまれ、最も一般的に栽培されているケイトウの代表種です。
  • クルメケイトウ: 球状で丸みを帯びたモコモコとした形が特徴で、まるで柔らかい毛糸玉や綿菓子のような独特な見た目をしています。花壇の中心に植えると、その立体的な形状が目を引きます。
  • ウモウケイトウ:羽毛状の円錐形の花が特徴で、柔らかな質感と優雅さで和洋どちらの庭にも合い、鮮やかな色彩が夏秋の花壇を彩ります。寄せ植えでも独特の形状が魅力的なアクセントになります。
  • ヤリケイトウ: 柔らかく尖った円錐形の花穂を持ち、風に揺れる姿が優雅で美しいです。色彩のグラデーションが豊かで、切り花やドライフラワーとしても高い人気があります。

ヤリケイトウは、槍のように房の先端がとがって円錐状をしていますが、色々な色彩を楽しめますね。

ケイトウ(鶏頭)の特徴と種類、育て方
ケイトウ(鶏頭)は夏から秋にかけてニワトリのトサカに似た鮮やかな花をつける植物です。夏の仏花として使われることも多いですね。多くの園芸品種がありトサカとは全く違った形の花をつけるものもあります。ケイトウの特徴と育て方についてまとめました。

ノゲイトウの魅力と特徴

一方、「ノゲイトウ」は、ケイトウと同じセロシアの仲間ですが、より自然で繊細な雰囲気を持っています。

  • 花の形: 細長く尖った穂状の花を咲かせます。風に揺れる姿は、野に咲く草花のような、優雅で優しい印象を与えます。
  • 色と質感: ピンク、白、赤、ライムグリーンなど、ケイトウと同様に豊富な色があります。ただし、より柔らかな色合いの品種が多く見られます。
  • 汎用性: 1本1本がスリムで、花壇では他の植物との調和が取りやすく、切り花としてもブーケの「つなぎ」や「フィラー」として重宝されます。

代表的な品種

  • セロシア・スパイカータ: 細い穂状の花が特徴で、繊細ながらも存在感があります。薄紫やピンク系の色合いが美しく、花壇のアクセントとして最適です。初夏から秋まで長期間楽しめます。
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  • セロシア・キャンドル: 細長い花穂が直立する上品なタイプです。垂直性を強調したい場所に最適で、風に揺れる姿も優雅です。耐暑性と耐乾性に優れており、夏の厳しい環境でも開花を続けます。

ケイトウとノゲイトウの主な違い

特徴 ケイトウ(鶏頭) ノゲイトウ(野鶏頭)
花の形 トサカ状、球状、ヤリ状 細長い穂状
雰囲気 力強く、豪華、個性的 繊細で優雅、ナチュラル
主な用途 花壇の主役、切り花のメイン 花壇の添え花、切り花のフィラー

育て方(共通のポイント)

どちらのタイプも、基本的な育て方は共通しており、日本の夏の暑さにも強く、初心者でも育てやすい植物です。

  1. 日当たり: 日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。十分な日光がないと、花つきが悪くなったり、茎が細長く弱々しく伸びてしまいます。
  2. 土: 水はけの良い土が不可欠です。過湿に弱いため、水はけが悪い土では根腐れを起こしやすくなります。市販の草花用培養土で十分に育ちます。
  3. 水やり: 土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。乾燥には比較的強いので、水のやりすぎには注意が必要です。特に梅雨時期や秋は、土の状態をこまめに確認しましょう。
  4. 肥料: 植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜておきます。開花期には液体肥料を定期的に与えると、より長く花を楽しめます。ただし、窒素分が多すぎると葉ばかり茂って花つきが悪くなることがあるので注意しましょう。
  5. 花がら摘み: 咲き終わった花はこまめに摘み取ると、次の花芽がつきやすくなり、開花期間がさらに長くなります。

 

真夏は暑さの影響で、猛暑に耐える花が中心となります。そんな中、ケイトウとノゲイトウは特に丈夫で、庭に鮮やかな色彩を与えてくれますね。

楽しみ方

ケイトウとノゲイトウは、さまざまな方法で楽しむことができます。

ガーデニング

    • ケイトウ: 庭や花壇の中心に植えると、力強いアクセントになります。
    • ノゲイトウ: 他の植物の間に植え込むことで、花壇全体に軽やかさや動きを与えられます。
    • 寄せ植え: どちらも鉢植えに適しており、異なる色や形の品種を組み合わせることで、個性あふれる寄せ植えが楽しめます。

切り花

  1. どちらも花持ちが非常に良いので、切り花としても最適です。ケイトウをメインに、ノゲイトウを添え花として飾ると、バランスの取れた美しい花束になります。

ドライフラワー

  1. ケイトウとノゲイトウは、乾燥させても色や形がほとんど変わらないため、非常に人気があります。花を摘んで風通しの良い場所に吊るして乾燥させるだけで、簡単にドライフラワーができます。リースやスワッグの素材としても重宝されます。
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おわりに

ケイトウとノゲイトウはいずれもヒユ科ケイトウ属に属する近縁植物です。ケイトウは園芸的に改良され、トサカ型や羽毛型など華やかな姿で花壇や切り花に使われます。一方、ノゲイトウはより自然な姿を残しており、野趣あふれる雰囲気が魅力です。

育て方は共通して「日当たりと水はけ」を重視しますが、ケイトウは鑑賞用として肥料や水やりをある程度必要とするのに対し、ノゲイトウは丈夫で手間が少なく、自然に広がって楽しめます。

園芸的に華やかさを求めるならケイトウ、自然風の庭に溶け込ませたいならノゲイトウと、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。どちらも夏から秋の庭を彩り、切り花やドライフラワーとしても活躍する魅力的な植物です。

両者は形や花の付き方、サイズ、色が異なりますが、どちらも育てやすい一年草です。観賞価値が高く、庭植えや鉢植え、ドライフラワーとして多様に楽しめます。品種選びで雰囲気が大きく変わるため、自分好みの品種を見つけることがガーデニングの醍醐味といえるでしょう。

ケイトウとノゲイトウは、それぞれに独自の魅力があり、夏の暑さに負けずに長く咲き続けてくれます。ぜひ、お好みの品種を選んで、その生命力あふれる姿を楽しんでみてください。

《 参考情報 》

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