庭づくり(カラフルポインセチア編)

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以前の記事では、クリスマスシーズンの主役であるポインセチアについて、多彩な品種や性質、魅力、家庭での育て方を詳しくご紹介しました。

庭づくり(ポインセチア編)
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今回は、最近人気のカラフルポインセチアについて、定義、種類、製法、活用方法、育成上の注意点をご紹介します。

カラフルポインセチアは、従来の赤や黄色とは一味違う、装飾性に特化した観賞植物です。ここ十数年で市場に急速に広まりました。

トウダイグサ科の植物であるポインセチアの最大の特徴は、苞(ほう:花のように見える色づいた葉)です。カラフルポインセチアは、この苞に自然界にはない色や輝きを加えることで、クリスマスの装飾素材としての価値を高めています。

ぜひカラフルポインセチアを活用して、クリスマスを素敵に彩ってみてください。なお、このブログを分かりやすくまとめた動画サイトは以下のとおりです。こちらも一緒にご覧ください。

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カラフルポインセチアの定義と二大分類

カラフルポインセチアには、次の二つのタイプがあります。

A. 品種改良によって生まれた多色ポインセチア(自然色・改良品種系)

人工的な着色ではなく、品種改良によって苞の色そのものが異なるタイプです。赤以外の多様な色が実現されており、光合成効率や葉への負担が少ないため、比較的長期管理に適しています。

  • ピンク・ローズ系(プリンセチアなど): 花びらのように柔らかいピンク〜濃いローズ色の苞が特徴で、赤よりも優しい雰囲気を演出します。葉もコンパクトで、テーブルやカウンターに置きやすいサイズ感です。ブーケのように仕立てられているものが多く見られます。
  • ホワイト・クリーム・ライム系: 純白からアイボリー、クリームイエロー、ライムグリーンまで淡い色合いが揃います。北欧風やナチュラルなインテリアにマッチし、金のオーナメントや木製雑貨との相性も抜群です。「大人っぽいクリスマス」の演出に最適です。
  • 斑入り・マーブル系(ジングルベル系など): 赤い苞に白、クリーム、ピンクなどの斑点やマーブル模様が入るタイプです。一株だけでも華やかで、クラシックな赤の雰囲気を残しながら遊び心を添えます。
  • ゴールド・イエロー・オレンジ系: 近年人気が高まっている色で、ハロウィンからクリスマス、お正月まで長く飾れます。ブラウン系家具やドライフラワーとの相性も良好です。
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B. 市販後に装飾・着色を施した人工加工タイプ

ポインセチアが持つ本来の色(赤、白など)の上から、スプレー塗料や染料、ラメ、グリッターなどを表面にコーティングしたタイプです。青、紫、メタリックゴールドなど、自然界にない色や非日常的な輝きを持ちます。「インテリア寄り」のアイテムと考えると分かりやすいでしょう。

人工加工タイプの製法とバリエーション

人工加工されたポインセチアは、強い視覚的インパクトを持ち、一時的な装飾としての魅力に特化しています。

主な製法

特殊な色や装飾は、主に以下の方法で施されます。

  1. スプレー染色/コーティング: 最も一般的な方法です。着色料やラメ入りのスプレーを苞や葉に吹き付けることで、青、紫、ターコイズ、メタリックカラーといった鮮やかな色を実現します。
  2. 吸い上げ染色: 白い苞を持つ品種の茎や根元から、色の付いた液体を吸わせて苞を染色します。着色が均一で、より自然な見た目になります。
  3. ラメ・グリッター加工: 苞全体や縁、葉や土の表面をキラキラのラメ(グリッター)でコーティングしたタイプです。ライトを当てると強く反射し、夜の室内やイルミネーションと組み合わせると非常に華やかになります。
  4. デザイン加工: 星柄、雪模様、文字入りなど、完全にデザインされた「スプレーアート」タイプも流通しています。「飾るための植物」として割り切って楽しめます。

代表的な人工色

  • ブルーポインセチア: 深い青や水色に着色され、雪や氷を連想させます。クールで幻想的な冬のテーマに最適です。

  • パープルポインセチア: エレガントでミステリアスな紫です。白やシルバーの装飾と組み合わせると、大人っぽい雰囲気を演出できます。
  • ゴールド/シルバーラメ: 赤や白の苞に金または銀のラメをコーティングしたタイプで、最もゴージャスで伝統的なクリスマスの輝きを強調します。

活用方法(飾り方・組み合わせのコツ)

カラフルポインセチアは、「生花」というよりも「生の素材を使ったオブジェ」として扱うと、その魅力を最大限に引き出せます。

置き場所と演出

  • リビングの主役に: 大鉢や背丈のあるタイプは、ソファ脇や窓辺に置くだけでクリスマスの雰囲気が高まります。赤、白、ピンクなど色違いを2〜3鉢並べるとボリュームが出ます。
  • テーブル・カウンター: ミニサイズやプリンセチアは、ダイニングテーブルやキッチンカウンターに最適です。ランチョンマットやテーブルランナーと色を合わせれば、食卓全体に統一感が生まれます。
  • 玄関・エントランス: ラメ入りやメタリックカラーは、玄関に置くと来客時に大きなインパクトを与えます。足元にLEDキャンドルやオーナメントボールを組み合わせれば、簡単にディスプレイコーナーを作れます。

小物との組み合わせ

  • 鉢カバーの利用: プラスチック鉢を柳かご、木箱、ブリキポットなどに入れると、土や受け皿が隠れ、ナチュラルでおしゃれなギフト風に仕上がります。
  • デコレーション追加: 鉢周りにリボン、オーナメントボール、松ぼっくり、シナモンスティックなどを添えるだけで、フラワーアレンジメント風に。赤にはゴールド、白・ピンクにはシルバーやシャンパンゴールドが好相性です。
  • お正月への転用: ゴールドやクリーム系のポインセチアは、水引、南天の実、松の枝などと組み合わせることで、クリスマス後も「洋風×和」の迎春ディスプレイとして楽しめます。

ギフト・商業利用

カラフルポインセチアは「珍しさ」「写真映え」「季節感」が揃っているため、ギフトとして優れています。店舗やサロンでは、ラメ入りや派手色がウィンドウ装飾や受付カウンターにぴったりです。

お店や施設のブランドカラーに合わせて選べば、単なる装飾品ではなく、その空間が持つ「世界観の一部」として自然に溶け込み、より深く活かせますね。

育成・管理の重要な注意点

ポインセチアはいずれも短日性(昼の時間が短いと色づく)で、寒さに弱く、10℃以上を目安に室内で楽しむ点は共通です。ただし、人工加工タイプは通常のポインセチアとは異なる扱いが必要です。

「季節の飾り物」として割り切る

厚く塗装されたタイプやラメでコーティングされたタイプは、植物の呼吸を妨げ、光合成効率が落ちるため、葉に負担がかかります。その結果、通常のポインセチアよりも寿命が短い傾向にあります。

そのため、加工タイプは「長く育てる観葉植物」ではなく、「クリスマスシーズンの一時的な装飾品」として割り切って楽しむのが賢明です。

水やりと配置の注意

  • 水やり: 土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと。染料タイプは色落ちしやすいため、苞に直接水をかけず、受け皿の水は必ず捨てましょう。
  • 配置: 暖房の直風、冷気、極端な乾燥を避け、明るく温度差が少ない場所に。直射日光は色褪せの原因になるため、明るい室内で管理しましょう。

ラメや着色の残留

ラメ加工されたポインセチアは、触れるたびにラメが衣類や床に付着することがあります。飾る前に新聞紙の上で軽くはたき、余分なラメを落としておくと掃除が楽になります。

また、加工された色やラメは徐々に落ちることがあります。翌年、短日処理で再び色づかせることは可能ですが、一度着色された苞は自然な色に戻らず、新しく出る葉は元の品種の色に戻ります。

「次の年も育てて楽しみたい」場合は、ラメや塗装の少ない自然色・改良品種系を選ぶ方が現実的ですね。

おわりに

カラフルポインセチアは、従来のポインセチアの概念を大きく超え、「育てる植物」ではなく「飾って楽しむ季節の演出アイテム」として新しい役割へと進化しました。

短い期間であっても、その場を華やかに彩ってくれる、冬のインテリアとして価値ある植物です。色や質感、小物との組み合わせを工夫すれば、年末年始の部屋づくりを一段と豊かで印象的なものにできます。

カラフルポインセチアを扱うことは、期間限定のイルミネーションを室内に持ち込むようなもの。その特別な輝きと存在感は、他の植物では味わえない独特の魅力です。

長期間の維持管理に労力を注ぐよりも、飾る期間に集中して美しさを心ゆくまで楽しみ、役目が終われば感謝の気持ちで見送る——この「割り切り」の美学こそが、この特別な植物を最も豊かに楽しむ秘訣と言えるでしょう。

きっと、いつもと違った一層華やかで素敵なクリスマスになるかもしれませんね。

《 参考情報 》

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