シニア世代にとって血液検査は健康管理の「入り口」として極めて重要な役割を果たします。血液検査は身体の内部状態を映し出す「健康の鏡」であり、重篤な疾患を早期発見し、適切な治療や生活習慣の改善につなげることができます。

血液検査の注意すべき主要項目や改善ポイントについては、以前のブログで紹介しています。

血液中の様々な成分を調べることで、自覚症状がない段階から病気の兆候を発見できるため、定期的な検査が推奨されます。特にシニア世代は年齢とともに健康リスクが高まるため、半年から1年に一度の定期検査が理想的です。これにより、多くの疾患を早期段階で発見し、適切に対応できます。
本記事では、シニア世代の血液検査でわかる代表的な病気の可能性についてご紹介します。検査結果を正しく理解することで、より効果的な健康管理が可能になり、健やかな毎日を送るための大きな力となるでしょう。
生活習慣病
加齢とともにリスクが高まる生活習慣病は、血液検査で初期段階から兆候を把握できます。定期検査によって自覚症状が現れる前に早期発見・対応が可能となり、重症化を防ぐための生活習慣改善や適切な治療開始のきっかけになります。

シニア世代は検査結果の変化に注意することが健康維持の鍵ですね。私たち夫婦は、以下の項目を中心に年1回程度受けるようにしています。
糖尿病
- わかる項目: 血糖値、HbA1c(ヘモグロビンA1c)
- 概要: 血糖値が高い状態が継続する疾患です。HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映するため、糖尿病の診断や治療効果の評価に重要です。放置すると神経障害、腎症、網膜症などの合併症を引き起こし、重症化すると失明や透析が必要になることがあります。
脂質異常症(高脂血症)
- わかる項目: LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪
- 概要: 血液中の脂質バランスが乱れる疾患です。血管壁に脂質が蓄積し、動脈硬化を進行させます。その結果、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが著しく高まります。
高尿酸血症(痛風)
- わかる項目: 尿酸値
- 概要: 血液中の尿酸値が上昇する疾患です。尿酸が関節などで結晶化すると、激しい痛みを伴う痛風発作が起こります。また、腎臓病や尿路結石の原因にもなります。
臓器の機能に関する病気
肝臓病
- わかる項目: ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、アルブミン
- 概要: 肝臓の細胞が損傷すると、これらの酵素が血液中に放出されます。数値の上昇は、肝炎や脂肪肝などを示唆します。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が現れにくいため、血液検査による早期発見が極めて重要です。

血液中の主要なタンパク質であるアルブミンは、肝機能や栄養状態を判断する重要な指標となりますね。
腎臓病
- わかる項目: クレアチニン、eGFR(推算糸球体ろ過量)
- 概要: これらは腎機能を評価する重要指標です。クレアチニンは老廃物で、腎機能低下時に血中濃度が上昇します。eGFRはクレアチニン値や年齢から算出される腎臓のろ過能力を示す値で、腎臓病の進行状態を正確に把握するために非常に重要です。
その他の重要な疾患
貧血
- わかる項目: 赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値など
- 概要: 血液中の赤血球やヘモグロビンが減少し、全身への酸素供給が不足する状態です。めまい、息切れ、倦怠感などの症状が現れます。シニア世代は鉄分やビタミン不足、消化器系疾患などが原因で貧血を発症しやすくなっています。
炎症・感染症
- わかる項目: 白血球数、CRP(C反応性タンパク)
- 概要: 白血球は免疫機能に関わり、感染症や炎症発生時に増加します。CRPは体内の炎症反応で上昇するため、肺炎や関節炎、白血病などさまざまな疾患のスクリーニング指標として活用されています。
最後に
血液検査は生活習慣病や臓器疾患、貧血など高齢者に多い疾患の早期発見に不可欠です。自覚症状の乏しい初期段階の把握には定期的な検査が重要ですが、結果はあくまで健康評価の手がかりとして捉えるべきです。
異常値が出た場合は過度に不安にならず、医師の指示に従い精密検査を受けましょう。数値は一時的な体調や食事で変動することもあるため、長期的な推移の観察が大切です。健康な老後のために、年に一度は血液検査を含む健診を受けることをお勧めします。
血液検査はわずかな血液から多くの病気の手がかりを得られる「健康の鏡」です。シニア世代には年1回以上の定期検診が推奨され、異常値が見つかれば早めに専門医を受診することが健康寿命延伸の第一歩となります。
定期的な血液検査は自覚症状の少ない疾患の早期発見や、重症化しやすい生活習慣病、治療成績を左右するがん、日常生活に影響する貧血などの早期発見に役立ち、健康維持と生活の質向上に重要です。

ただし、高齢者は生活習慣や既往歴が多様で、検査値にも大きな個人差があります。そのため、単一の検査結果だけでなく、主治医が経時的な変化を観察することで、より的確な医療へとつなげることが重要です。
《 参考情報 》

