健康生活ガイド(心血管疾患予防ガイド編)

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日本人の5人に1人が命を落とす心臓・血管の病気

日本人の死因で、がんに次いで多いのが心臓や脳の血管が詰まる病気です。実に5人に1人が、心臓や血管の病気で亡くなっています。

「毎年の健康診断で異常なしだから大丈夫」と安心していませんか?実は、健康診断の心電図は「安静時」に測るため、血管が半分以上詰まっていても異常が見つからないことがよくあります。

階段を駆け上がるなど心臓に負担がかかった時に初めて症状が出る「隠れ心臓病」が潜んでいるかもしれませんね。

最も恐ろしいのは、症状がないまま静かに進行し、ある日突然、心筋梗塞などで倒れてしまう「突然死」です。日本では年間約9万人が突然死で亡くなっており、「6分に1人」が命を落としている計算になります。

心臓突然死(Sudden Cardiac Death, SCD)を防ぐために:日本の現状と課題
心臓突然死は、日本において年間約8万人が犠牲となる深刻な公衆衛生問題です。これは、心血管疾患の急激な進行によって心停止に至る現象であり、早期介入がなければほぼ100%が致死的な転帰を迎えます。本稿では、最新の研究で示されたデータを基に、SC...

本記事では、心臓や血管の健康を守り、突然死を防ぐための重要なポイントを分かりやすく解説します。年齢を重ねるにつれてリスクが高まる血管の病気を防ぎ、健康で長生きするためのヒントをまとめました。

「健康診断でオールA」でも油断は禁物

動脈硬化(血管が硬くなること)は30代から始まります。長年の生活習慣の乱れが血管の壁に「プラーク」という脂肪の塊を作り、これが破裂して血栓(血の塊)となり、血管を完全に塞ぐのが心筋梗塞のメカニズムです。

以下の記事の内容をわかりやすくまとめた動画もご用意しています。ぜひ併せてご覧ください。

隠れ心臓病:血管の健康ガイド
この動画では、日本人の主な死因である心臓・血管疾患の危険性と予防策を詳しく解説しています。健康診断で異常がなくても、動脈硬化や突然死のリスクは潜んでいます。ストレス管理や寒暖差への注意が欠かせません。血管の老化を防ぐには、加工食品を避け、マ...

血管を詰まらせる意外な原因—ストレスと寒暖差

血圧やコレステロールが正常でも、心筋梗塞を起こす人がいます。その大きな原因が「ストレス」です。過度なストレスを感じると、心臓の血管が痙攣して細くなり、血流が止まってしまうことがあります。

真面目で責任感が強く、人に頼るのが苦手な方は、ストレスを溜め込みやすいため特に注意が必要ですね。

また、シニア世代が気をつけたいのが「寒暖差」です。冬の寒い朝にゴルフへ行ったり、サウナから冷たい水風呂に入ったりする急激な温度変化は、心臓の血管を収縮させ、発作を引き起こす大きな引き金になります。

血管を「老けさせる」要注意な食べ物

血管の老化を早める原因は「酸化(血管のサビ)」「糖化(血管のこげ)」「炎症」の3つです。これらを進めてしまう代表的な食べ物が、「フライドポテト」と「菓子パン」です。

フライドポテトは炭水化物を高温の油で揚げるため、油がひどく酸化しており、血管に炎症を起こしやすくなります。菓子パンは、小麦粉(糖質)にさらに砂糖を加えているため、食べると血糖値が急上昇し、その後急降下する「血糖値スパイク」を引き起こします。

このような食べ物を日常的に摂り続けると、血管の老化が加速し、動脈硬化や血栓ができやすくなります。

血管を若々しく保つ「おすすめの食事」

血圧を気にして減塩を心がけている方は多いと思いますが、実は「塩の選び方」も重要です。精製された「食卓塩」は血圧を上げやすい一方、ミネラル(マグネシウムやカリウム)が豊富な「海塩」や「岩塩」は血管を広げ、血圧を下げる働きが期待できます。

ご家庭で使う塩を見直してみてはいかがでしょうか。私の家では岩塩を使っています。

また、医師が「野菜の王様」として強く推奨するのが「ブロッコリー」です。マグネシウムがたっぷり含まれており、筋肉や血管を緩めてくれます。さらに「スルフォラファン」という強力な抗酸化成分が血管のサビを防いでくれます。

大皿にブロッコリーが出たら、独り占めして食べたいくらい血管に良い食材と云われていますね。

血管をしなやかにする「NO」と簡単体操

硬くなった血管をしなやかに保つカギは、血管の内側から分泌される「NO(一酸化窒素)」です。NOは血管を広げ、弾力性を高めます。NOは血流のスピードが変化した時に多く分泌されます。

ご自宅で簡単にNOを分泌できる「3つの体操」をご紹介します。これらの内容をわかりやすくまとめたインフォグラフィックは、以下のとおりです。

ふくらはぎのストレッチ—

ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれる重要な部位です。ゆっくり伸ばすことで、下半身に溜まった血液を心臓へ押し上げ、全身の血流を促進できます。

かかとの上げ下げ

立った状態で、かかとをゆっくり上げ下げします。1日30回程度を目安に行いましょう。ふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、下半身に溜まった血液を心臓へ効率的に押し上げ、全身に血液を巡らせることができます。

緊張・脱力体操

肩を思い切りギュッとすくめて、10秒間全力で力を入れます。その後、ストンと一気に脱力します。血流が一時的に止まった状態から一気に流れることで、NOが大量に分泌されます。タオルを両手で持って10秒間思い切り引っ張り、サッと緩めるのも効果的です。

おわりに

良質な睡眠は血管を守るために欠かせません。睡眠時間は短すぎても(6時間以下)、長すぎても(9時間以上)心臓病のリスクが高まるため、7〜8時間が理想的です。休日の「寝だめ」はホルモンバランスを乱すので、遅くとも普段より2時間遅れまでに起きましょう。

いびきや昼間の強い眠気がある方は「睡眠時無呼吸症候群」に注意してください。呼吸が止まると脳が酸欠になり、睡眠中に血圧が異常上昇します。朝方の脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるため、肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症と合わせて「死の五重奏」と呼ばれるほど危険です。

もし、心当たりがあれば、病院で検査を受けましょう。

血管にできたプラーク(塊)を完全に消すことはできません。しかし、食生活を見直し、適度な運動を取り入れ、睡眠を整えることで、プラークを安定化(石灰化)させ、破裂を防ぐことは十分に可能です。

日々のちょっとした心がけで、血管の老化を防ぎ、健やかなシニアライフを送りましょう。今日から、ミネラル豊富な塩を選び、ブロッコリーを積極的に食べ、テレビを見ながら「かかと上げ下げ」を始めてみてはいかがでしょうか。

《 参考情報 》

健康生活ガイド(心臓病予防編)
今回の記事では、心臓専門医プラディップ・ジャムナダス医師(Dr. Pradip Jamnadas)が提唱する「健康寿命を延ばし、心臓病を防ぐための生活習慣」を、シニア世代にも実践しやすく解説します。心臓病は世界的な死因の第1位であり、高齢者...
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