人生100年時代を豊かに過ごすための「健康投資」として、2026年現在もっとも注目されているテクノロジー機器について解説します。
前回の記事では、健康デバイスの「腕時計型」と「リング型」を比較し、最新機種を具体的にご紹介しました。

これまで健康管理といえば手首の「スマートウォッチ」と指の「リング型」が主流でした。しかし技術はさらに進化し、現在は「耳(スマートイヤホン)」と「目(スマートグラス)」がシニア世代の頼れるパートナーになりつつあります。
本記事では、これらが私たちの生活をどう変えるのか、どちらが自分に合っているのか、最新情報を整理してお伝えします。
スマートイヤホン:24時間寄り添う「専属の健康管理者」
まず最初にご紹介するのは、耳に装着する「スマートイヤホン(ヒアラブルデバイス)」です。これは単に音楽を聴くための道具ではありません。「身体の中の状態」を見守る、非常に優秀な健康センサーへと進化しています。
なぜ「耳」なのか?
耳は手首以上に血管や脳に近いため、実は生体情報の宝庫です。最新のイヤホンは、装着しているだけで心拍数や血中酸素レベル、さらには深部体温まで正確に測定できるようになりました。
シニアに嬉しい3つのメリット
- 熱中症や体調変化の予兆をキャッチ :例えば、夏場の庭仕事の際、耳の中の体温変化を感知して「少し休憩しましょう」とアラートを出してくれます。自分では気づきにくい体調の変化を教えてくれるため、安心して作業ができます。
- 「聞こえ」をサポートし、会話を楽しく :加齢とともに「レストランでの会話が聞き取りにくい」「テレビの音が大きくなる」といった悩みが出てきます。最新機種(Apple AirPods Pro 2など)には、騒音を抑えて相手の声だけを強調する機能や、臨床グレードの聴力補助機能が搭載されています。
- 転倒リスクの検知 :耳には平衡感覚をつかさどる三半規管があります。ここに近い位置で動きを計測することで、歩行のふらつきや転倒リスクを分析し、姿勢の乱れを教えてくれるモデルもあります。
価格と選び方
スマートイヤホンはコストパフォーマンスの高さが魅力です。
- 手軽に試したい方: 3,000円〜1万円前後のモデル(L&L社製など)でも、心拍や血中酸素の測定が可能です。
- 本格的に健康管理したい方: 3万円〜6万円台のモデル(Apple、Sennheiserなど)は、体温測定や高度な聴覚サポート機能が充実しており、補聴器代わりとしても期待できます。

音楽を聴く際、多くの方がイヤホンを使っています。その進化版がスマートイヤホンで、気軽に健康管理ができるようになりましたね。
スマートグラス:世界を広げる「視界のコンシェルジュ」
次は、メガネ型の「スマートグラス」です。かつては重くて奇抜なデザインもありましたが、最新モデルは普通のメガネやサングラスと見分けがつかないほど洗練されています。こちらは健康計測というより、「行動を支え、体験を豊かにする」デバイスです。
「見る」ことをどう助けてくれるのか?
スマートグラスの最大の特徴は、「視界に情報を重ねて表示できる」点です。
- 両手が空く「ハンズフリー」の便利さ :散歩中にナビを見たり、買い物中にメモを確認したりする際、わざわざスマホを取り出す必要がありません。前を向いたまま情報を確認できるため、つまずきや転倒のリスクを減らすことができます,。
- 「あれは何?」を即座に解決(AIアシスタント): カメラとAIを搭載したモデル(Ray-Ban Metaなど)では、「この花の名前は?」「この英語のメニューはどういう意味?」と問いかけるだけで、AIが耳元で答えを教えたり、レンズに翻訳を表示したりしてくれます。海外旅行や新しい趣味を始める際の強力な助っ人になります。
- 姿勢や目の疲れをチェック :フレームにセンサーを内蔵し、猫背や長時間のスマホ首になっていると警告してくれるモデル(Solos、JINS MEMEなど)もあります。姿勢の改善は、肩こりや腰痛の予防に直結します。
- 視覚そのものの補助(弱視の方へ): 視力に不安がある方向けに、映像を拡大・鮮明化して「より見える」体験を提供する医療寄りの高機能モデル(eSightなど)もあります。これは生活の質を劇的に改善する可能性があります。
価格の目安
機能によって幅がありますが、一般向けの多機能モデルは4万円〜7万円程度がボリュームゾーンです。視覚補助に特化した医療用モデルは70万円を超えるものもありますが、一般的な便利機能を使う分には、少し良いメガネを作る感覚で導入できます。

旅行が好きな方であれば、メガネを新調する際にスマートグラスも検討してみてはいかがでしょうか。
どちらを選ぶ?「健康資産」としての投資判断
では、今のあなたにはどちらが必要でしょうか? 投資に例えて考えると、非常に分かりやすくなります。
スマートイヤホンは「インデックス投資(守りの資産)」
イヤホンは、装着するだけで無意識にデータを記録し続けます。「今日は心拍数が高いな」「体温が上がってきたな」と、意識せずとも身体の状態を24時間監視してくれる「お守り」のような存在です。
《 代表的な最新機種と価格 》
Apple AirPods Pro 2(約40,000円): iPhoneユーザーならこれ一択。「臨床グレードの聴力テスト」機能や、騒音下での「会話強調」機能がついに実装されました。補聴器の代わりとしての役割も果たしつつあります。
Sennheiser MOMENTUM Sport(約50,000〜60,000円): 音質の老舗が作ったスポーツ特化型。体温センサーと心拍センサーを内蔵しており、運動強度を管理したいアクティブシニアに最適です。

《 おすすめな人》
血圧や心臓、熱中症が心配な方、最近「え?」と聞き返すことが増えた方、手軽に健康管理を始めたい方におすすめです。数千円〜1万円前後の製品も多く、スマートウォッチより安価に健康モニタリングを試せます。
スマートグラスは「個別株投資(攻めの資産)」
メガネは、「これを見たい」「ここに行きたい」という能動的な行動をサポートしてくれます。必須ではありませんが、持つことで旅行が劇的に楽しくなったり、散歩のモチベーションが上がったりと、人生の楽しみ(体験の質)を大きく引き上げてくれます。
《 代表的な最新機種と価格 》
XREAL Air 2 Pro(約50,000〜60,000円): レンズの中に巨大なスクリーンを映し出せます。飛行機や新幹線の移動中、どこでも映画館のような大画面で映像を楽しめます。
Solos AirGo 3(約30,000〜40,000円): ChatGPTを搭載し、対話、翻訳が可能。姿勢矯正アラート機能があり、首への負担を減らす健康機能も備えています。

《 おすすめな人》
旅行や外出が好きな方、新しい技術で脳に刺激を与えたい方、スマホの画面を見るのが億劫になってきた方。
※ この内容をわかりやすくまとめたインフォグラフィックは、以下のとおりです。

最後に:シニアのための導入ステップ
2026年現在、まず取り入れるなら「スマートイヤホン」をおすすめします。理由は「無意識に使えるから」です。
新しい機械の操作は億劫なものですが、イヤホンなら耳につけるだけ。それだけで転倒リスクの検知や心臓のモニタリングといった「安心」が手に入ります。加齢による難聴は認知症のリスク因子とも言われています。

スマートイヤホンは「聞こえにくさ」をカバーし、社会とのつながりを維持してくれますね。
余裕があれば、あるいは「もっと外に出て楽しみたい」という意欲が湧いてきたら、「スマートグラス」を追加してみてください。海外クルーズで現地の言葉を翻訳したり、お孫さんと手を繋ぎながら見たままの景色を写真に残したり——まさに「魔法のメガネ」のような体験が待っています。
ご自身の関心事や体調に合わせて、まずは「耳」から、未来の健康生活を始めてみてはいかがでしょうか。
《 参考情報 》




