衆議院の解散・総選挙という極めて大きな政治イベントを控えている現在、日本の株式市場が大きく揺れ動く重要な時期に差し掛かっています。衆議院解散の風が吹き始めた頃には、日経平均株価が予想を上回る勢いで大きく上昇する動きを見せました。
この株価上昇の背景には、高市政権がより強固な政治基盤を固めるための重要なチャンスを迎えていることへの期待感があり、同時に今後展開されるであろう高市政権の経済政策や成長戦略に対する市場参加者の大きな期待の表れでもあると考えられます。
余裕資金を持つシニア世代にとって、この衆議院選挙は二つの顔を持ちます。一つは「株価上昇の波に乗って投資利益を狙う絶好のチャンス」、もう一つは「長年築いた資産をいかに守り抜くか」という資産防衛力が試される重要な場面です。
本記事では、シニア世代の投資家がこの「選挙相場」を賢明に、そして心穏やかに乗りこなすための具体的な投資戦略を5つの柱に整理し、それぞれの要点を詳しく解説します。
この記事の内容をわかりやすくまとめた動画もご用意しています。ぜひ併せてご覧ください。

「選挙は買い」というアノマリー(経験則)
日本の株式市場には、古くから「解散から投票日までは株価が上がりやすい」というアノマリーがあります。各政党が掲げる経済対策や政策への期待から、市場に資金が流れ込みやすくなるためです。ただし、シニア世代が意識すべきは「浮かれて高値掴みをしないこと」です。

最近の株価は好調で、日経平均は54,000円前後で推移しています。高市政権への政策期待が株価に反映されています。この「高市トレード」の好調が続くかどうかは、選挙結果次第です。今後の動向が気になりますね。

戦略の基本
強気相場になりやすい時期ですが、乱高下は避けられません。無理に追いかけず、「大きく下がった局面(押し目)があれば冷静に拾う」という控えめなスタンスが推奨されます。
短期決戦は避ける
選挙結果を正確に予測することはプロでも困難です。短期的な売買で利益を狙うのは、シニアにとってリスクが大きすぎます。政治イベントは「一時的なノイズ(揺らぎ)」と捉え、長期的な視点を忘れないようにしましょう。
「国策銘柄」と「安定配当」の二刀流
選挙戦では各党が「公約」を掲げます。これが市場では「国策」として注目され、関連する業種に資金が集まります。
- 注目テーマ:「防衛」「少子化対策」「地方創生」「DX・半導体」などは選挙の争点になりやすく、短期的な注目を集めます。
- シニアの知恵:流行りのテーマ株に全力投資するのは危険です。シニア世代にとって最も重要なのは、株価変動に左右されない「配当金」の安定です。
- 投資先選び:政策の恩恵を受けつつも、減配せず配当を維持または増やす「累進配当」を続けている大型株をポートフォリオの核に据えるのが無難です。個別株の選別が負担なら、高配当ETFやインデックス型投資信託を活用することで、手間を減らしつつ分散投資できます。
「現金比率」という最強の盾と資産の3分割
解散総選挙は不確実性が極めて高い局面です。与党の勝敗次第では、株価が急落するリスクもあります。
- 現金比率を高める: 全力投資は避け、手元の現金を厚めに確保しましょう。
- 心の安定が9割: 70代からの投資で最も大切なのは「メンタル管理」です。「暴落しても買える余力がある」という状態が、精神的な余裕を生みます。
- 資産を3つに分ける: 資産を以下の3つに整理して管理することをお勧めします。
- 生活防衛資金: 医療・介護費、数年分の生活費など、絶対に減らさない安全資産(現預金)。
- 安定運用資金: 債券や高配当株など、定期的な収入(利息・配当)を得るための資産。
- 成長・インフレ対応資金: 株式や投資信託など、物価上昇に対抗しつつ成長を狙う資産。
NISAの活用と世界分散でリスクを抑える
日本の政治イベントに振り回されないためには、視点を世界に向けることが有効です。
新NISA・プラチナNISAの活用
60代・70代からでも、新NISAの非課税枠を使って「守りながら運用」する余地は十分にあります。特に高齢者の預貯金を成長投資に振り向ける「プラチナNISA」のような考え方も、非課税メリットを活かす手段として注目されています。

通貨と地域の分散
日本株だけに集中せず、全世界株式(オルカン)や米国株(S&P500)を保有、あるいは積み立てることで、日本固有の政治リスクを抑えられます。
為替の考え方
選挙結果で円安が進めば外貨資産の価値が上がり、円高になれば海外資産を安く買うチャンスになります。「どちらに転んでも大丈夫」という状態を作るのが、大人の投資戦略です。
「政治ショー」として楽しむ距離感と売買ルールの徹底
最後に最も重要なのが、「相場と適切な距離を置くこと」です。
生活を優先する
株価ボードに一日中張り付くのは健康によくありません。ストレスは血管老化の大敵です。ゴルフや旅行など趣味の時間を大切にしながら、選挙戦を一つの「エンターテインメント(政治ショー)」として客観的に観察するくらいの余裕を持ちましょう。
事前のルール作り
相場が急変してから慌てて動くと、判断を誤ります。「選挙前に一部を利益確定する」「大きく下げたときだけ少し買い増す」など、自分なりの「出口戦略」や「買い増しルール」を事前に決めておくことが、大きな失敗を避ける鍵です。
泰然自若の姿勢
「政治がどうなろうと、優良企業の価値は変わらない」——この泰然とした姿勢こそが、余裕あるシニア世代にふさわしい投資のあり方です。
※ この内容をわかりやすくまとめたインフォグラフィックは、以下のとおりです。

おわりに:シニア世代の「勝ち筋」とは
衆議院解散は、あくまで通過点に過ぎません。一時的な政治イベントに振り回されず、長期的な視点を持つことが大切です。大きく増やすことよりも、「資産寿命を延ばすために、大きく減らさないこと」を最優先に考えましょう。これが、老後の生活を安定させる最も確実な方法です。
- 慌てて動かない——政治イベントは一時的なもの。長期的な投資戦略に基づいて判断する。
- 現金を多めに持つ——心の安定と次の一手のための余裕資金を確保し、急な市場変動にも対応できる体制を整える。
- 配当と分散を重視する——大型株や投資信託を活用し、安定した収入源を確保しながらリスクを分散させる。
- 相場から距離を置く——趣味や生活を楽しみ、ストレスを避けて健康的な投資生活を維持する。
この「守り」を軸とした戦略こそが、不透明な選挙局面でシニア世代が合理的に、そして幸福に資産を運用するための道しるべです。焦らず、着実に、心穏やかに資産を守り育てていくこと——これが人生の後半戦における投資の真の成功と言えるでしょう。
《 参考情報 》




