健康生活ガイド(ウイルス感染症編)

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最近、インフルエンザの感染が全国的に急速に拡大し、各地で流行の兆しが見られています。インフルエンザは通常38℃以上の高熱を伴うため、夏の疲れが残るシニア世代の方々は十分な警戒が必要です。

インフルエンザ 暑さが一転し早くも流行期に
【読売新聞】 早くもインフルエンザのシーズンが始まった。最近まで暑さが続いていただけに戸惑う人も多いだろうが、油断せず本格的な流行に備えたい。 厚生労働省は、インフルエンザが流行期に入ったと発表した。全国の医療機関から報告された患者

シニア世代は、加齢による免疫機能の低下(免疫老化)に加え、心臓病や糖尿病、高血圧などの基礎疾患を抱えている場合が多いため、ウイルス感染症に対して非常にかかりやすく、さらには一度感染すると重症化しやすいという特徴があります。

ヒトに病気を引き起こすウイルス | ウイルス感染症と社会 | 一家に一枚「ウイルス」

感染症の重症化を防ぎ、日常生活の活動能力(ADL)や生活の質(QOL)を良好に維持するには、日頃からの「予防対策」、体調変化の「早期発見」、異変を感じた際の「迅速かつ適切な対応」という三つの要素を徹底することが重要です。

本記事では、日本国内でシニア世代の間で特に流行しやすいウイルス感染症について、それぞれの特徴や症状、効果的な予防方法、そして感染した場合の治療法までをわかりやすく解説します。

シニア世代のウイルス感染症対策

シニア世代がかかりやすく重症化しやすい感染症について、そのリスク、予防策、対応策を以下にまとめました。

警戒すべき主要な感染症とそのリスク

感染症 特徴・注意点 重症化リスク
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 高齢者は症状が非典型的(食欲不振、活動性低下など)な場合がある。 最も高いリスク因子の一つ。肺炎やADL低下(寝たきり)を招く。
インフルエンザ 高齢者は高熱が出ないことがある。 細菌性肺炎を併発しやすく、死亡リスクが高い。
RSウイルス感染症(RSV) 乳幼児だけでなく高齢者も感染する。 慢性疾患のある高齢者で肺炎や気管支炎により入院が必要となることがある。
帯状疱疹 免疫低下で発症。強い痛みを伴う発疹が出る。 治癒後も帯状疱疹後神経痛(PHN)として痛みが長く残り、QOLを著しく低下させる。
感染性胃腸炎(ノロなど) 感染力が強い。嘔吐、下痢、腹痛を引き起こす。 激しい嘔吐・下痢による脱水症、および嘔吐物による誤嚥性肺炎・窒息のリスクが高い。

重症化を防ぐための予防策

 ワクチン接種(最も有効な手段)

ワクチン接種は、発症を防ぐだけでなく、重症化や合併症(肺炎など)の予防にも効果があります。

  • 必須のワクチン:インフルエンザ(毎年)と新型コロナ(定期的な追加接種)は、重症化予防のために推奨されます。
  • その他の推奨ワクチン:帯状疱疹ワクチンや、インフルエンザ後に併発しやすい細菌性肺炎を防ぐ肺炎球菌ワクチンも推奨されます。
  • 新たな選択肢:高齢者向けのRSウイルスワクチン(アレックスビー)が日本でも利用可能となり、重症化予防の手段として注目されています。
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 日常生活での感染対策

すべてのウイルスに共通する基本対策を徹底しましょう。

  • 手洗い・手指消毒:外出後や食事前だけでなく、調理前後や介護の前後にも石鹸と流水で丁寧に洗います。
  • 環境管理:室内のウイルス濃度を下げるため、1時間に2回以上、数分間の換気を行い、湿度は50〜60%を目安に保ちましょう。
  • マスクの着用:インフルエンザや新型コロナは空気感染するため、うがいやマスクの着用を忘れずにしましょう。

免疫力の維持

基礎疾患を安定的に管理することが、重症化を防ぐ上で極めて重要です。バランスの取れた食事(タンパク質・ビタミンの摂取)、適度な運動(ウォーキングなど)で体力・筋力を維持し、十分な休養を取りましょう。

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シニア世代の感染症対策は、「病原体を持ち込まない」「免疫力を高める」「ワクチンで守る」の三原則が基本です。

感染が疑われるときの迅速な対応

シニア世代では、加齢に伴い感染症の進行が速いため、自己判断せず早めに医療機関を受診することが重症化を防ぐ鍵です。

軽微な変化を見逃さない

高熱が出なくても、「なんとなく元気がない」「食欲がない」「急に活動性が低下した」など、いつもと違う変化があればすぐに相談しましょう。

抗ウイルス薬の早期使用

インフルエンザ、新型コロナウイルス、帯状疱疹などは、発症後48時間以内に抗ウイルス薬を使うことで症状を軽減し、重症化を防げます。

脱水・誤嚥の対策

嘔吐や下痢がある場合は、経口補水液でこまめに水分補給しましょう。嘔吐時は誤嚥性肺炎や窒息を防ぐため、顔を横に向けて寝かせる配慮が大切です。

入院などで安静が長引いた場合は、早期リハビリテーションで体力低下や寝たきりを防ぎましょう。

最後に

シニア世代のウイルス感染症対策には、「予防接種による防御」「日々の健康管理による免疫力の維持」「異常時の迅速な受診」の三つが不可欠です。手洗い、マスク、換気、体調管理といった日常の基本対策を徹底することが、あらゆるウイルスに対する共通の防御線となります。

重要ポイント

  • 流行感染症は年によって動向が変わるため、最新情報の確認が大切です。
  • ワクチン接種、基本的な感染対策、正しい生活習慣の継続により、重症化リスクを大幅に引き下げられます。
  • 日常生活での感染症対策の徹底を図りましょう。

シニア世代で、特に高齢者は進行が速く重症化リスクも高いため、自己判断で受診を遅らせないことが大切です。症状が現れたら、早めに医療機関へ相談しましょう。

感染予防とともに、日頃から体力・栄養・免疫力を保つ生活を心がけることで、ウイルスに対する抵抗力を高めることができますね。

《 参考情報 》

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