東京都八王子市に位置する高尾山(標高599m)は、都心から電車でわずか1時間という抜群のアクセスで、「手軽に行ける自然の宝庫」として幅広い世代に親しまれています。四季折々の豊かな自然を楽しめるこの山は、特に夏場には都会の喧騒を離れた絶好の避暑地となります。
山全体が豊かな自然林に覆われ、夏でも気温が都心より2〜3℃低く、木陰や沢沿いでは涼やかな風が吹き抜けます。木漏れ日と清らかな水のせせらぎが訪れる人々の心を癒してくれるため、「都心から一番近い避暑地」として愛され、夏の週末には家族連れやハイカーでにぎわいます。
2007年にミシュランガイドで三つ星観光地に選ばれたことで国際的な注目を集め、年間300万人以上が訪れる人気スポットとなっています。世界各国からの旅行者が高尾山の自然と文化を体験するために集まります。

高尾山は多くのシニア世代に馴染みがあり、紅葉の名所として有名ですが、最近は避暑地としても人気上昇中です。ミシュラン三つ星に選ばれて以来、国際的な観光地としても注目を集め、多くの外国人観光客が訪れていますね。
標高が低く登山初心者でも気軽に挑戦できる点や、子どもからお年寄りまで楽しめる整備された多様な登山道が魅力です。ケーブルカーやリフトを利用すれば、登山が苦手な方でも山頂付近まで楽に行ける便利さも高尾山ならではの特徴です。
今回の記事では、高尾山の見どころや各種散策コース、食事や避暑地としての楽しみ方などについて、ご紹介します。
高尾山の自然と見どころ
豊かな植生
高尾山には約1600種類もの植物が生育しており、日本有数の多様性を誇ります。夏には緑濃い広葉樹林が日差しを和らげ、散策路に心地よい木陰を作り出します。
清流と沢の涼しさ
琵琶滝や蛇滝といった滝スポットがあり、涼しい空気に包まれながら散策できます。特に夏場は水音が涼感を増し、避暑に最適です。
山頂からの展望
山頂に立つと関東平野を一望でき、晴れた日には富士山や丹沢の山並みも望めます。澄んだ空気の中で景色を楽しむのは、夏の醍醐味です。
高尾山薬王院
中腹に位置する真言宗智山派の寺院。修験道の霊場としても知られ、参拝や精進料理体験も可能。文化面でも魅力があります。
散策コースのバリエーション
高尾山には複数の登山道が整備されており、体力や目的に応じて選べます。避暑を楽しみながら歩ける代表的なコースをご紹介します。
1号路(表参道コース)
ケーブルカー・リフト山上駅から薬王院経由で山頂へ向かう定番ルートです。舗装されており歩きやすく、ケーブルカー・リフトを利用すれば気軽に登れます。見どころは樹齢450年の「たこ杉」やパワースポットの薬王院です。茶屋も多く点在しているため、休憩しながらゆっくり散策できます。

4号路(吊り橋コース)
高尾山で唯一の吊り橋「みやま橋」を渡るコースです。木々に囲まれた橋の上に立つと、まるで森の中に浮かんでいるような感覚が味わえ、絶好のフォトスポットになっています。1号路と組み合わせれば、行き帰りで異なる景色を楽しめるのが魅力です。

6号路(びわ滝コース)
渓流沿いを歩く、最も涼しげなコースです。木々の間から差し込む光と川のせせらぎが心地よく、夏に最適です。途中の琵琶滝は修行の場としても知られ、清らかな水の流れがさらに涼感を高めてくれます。一部にぬかるみや岩場があるため、滑りにくい靴の着用をお勧めします。

暑い夏場の散策には、猛暑でも比較的涼しく感じられるため、最もおすすめのコースとなりますね。

稲荷山コース
比較的アップダウンがありますが、木々に囲まれた道で森林浴を楽しめるコースです。山頂手前の稲荷山展望台からの眺望が格別です。

なお、高尾山〜城山〜相模湖方面への健脚向きの縦走コースもあります。奥高尾まで足を伸ばせば人も少なく、さらに涼しさを味わえます。森林浴をしながら長時間の避暑登山が楽しめます。

私も過去に何度も訪れたことのある山の一つです。都心からのアクセスは電車でも便利で、新宿から京王線特急を利用すればわずか50分程度で到着できます。
食と休憩の楽しみ
高尾山には江戸時代から続く茶屋が点在し、自然の中で地元名物や季節の味覚を楽しめます。登山の合間に味わう食事は格別です。
- とろろそば:山芋の滋養たっぷりのそばは夏の疲労回復に最適です。つるっとした喉ごしと山芋の風味が暑い季節の体を癒します。茶屋では手打ちそばに新鮮な山芋のとろろをたっぷりとかけて提供しています。
- ごま団子や天狗焼き:登山後の甘味として人気があります。ごま団子は外はカリッと中はもっちりした食感で地元民にも愛されています。天狗をかたどった「天狗焼き」は子供から大人まで楽しめる名物で、茶屋ごとに味や形が異なるのも魅力です。
- ビアマウント:夏季限定の人気ビアガーデンです。標高約500mから東京の夜景を眺めながら冷たいビールを楽しめます。昼から営業し、星空の下での食事は特別な体験となります。豊富なビールメニューとバーベキューなど食事も充実しています。
都心からのアクセス
高尾山は交通の便が非常に良く、日帰り避暑に最適です。
- 電車:新宿から京王線特急で約50分、「高尾山口駅」下車。駅前からすぐ登山口があります。JR中央線「高尾駅」で京王線に乗り換える方法もあります。
- 車:中央自動車道「高尾山IC」から約5分。ただし週末や夏休みシーズンは駐車場が混雑するため、電車利用が便利です。
避暑地としての楽しみ方のポイント
- 朝の涼しい時間に登る:午前中は気温が低く、早朝出発なら日差しが強まる前に主要スポットを巡れます。7時頃の出発が最適です。
- 沢沿いや木陰のルートを選ぶ:4号路や6号路の沢沿いコースは水の気化熱による自然のクーラー効果があります。特に6号路の琵琶滝周辺は水しぶきも感じられる絶好の避暑スポットです。
- 休憩をこまめに:30分に一度は休憩し、茶屋や木陰で水分・塩分を補給しましょう。無理のないペースでの散策が熱中症予防になります。特に年配者や子連れは余裕のあるスケジュールを組みましょう。
- 季節ごとの自然を楽しむ:高尾山は四季折々の魅力があります。夏は避暑と新緑、秋は紅葉、冬は富士山の眺望、春は山桜やつつじが楽しめます。8月下旬から9月上旬は暑さが和らぎ始め、秋の気配も感じられる絶好のハイキングシーズンです。
おわりに
高尾山は「都心から最も近い避暑地」です。標高599mながら、緑深い森林と清流に恵まれ、都心から約1時間でアクセスできる自然の宝庫です。夏は周辺より2〜3度低い気温と、爽やかな森の香りで涼しさを満喫できます。

整備された登山道、ケーブルカー、リフトにより誰でも気軽に訪れられ、観光地としての魅力、信仰の場としての歴史、地元の食文化など、楽しめる要素が豊富ですね。
最大の魅力は、日帰りで豊かな自然を満喫できること。これがシニア世代、ファミリー、外国人観光客まで幅広い層に支持される理由です。季節ごとに変わる植物や眺望も、多くのリピーターを引き寄せています。
高尾山は「真夏の暑さを忘れ、自然の中でリフレッシュ」という現代のニーズに応え、アクセスの良さと本格的な山歩きを両立した都会生活者の理想的な避暑地です。山中の茶屋での一休み、山頂での爽快感、下山後の温泉や名物料理など、一日を通して多彩な楽しみ方が可能です。
高尾山には初心者から経験者まで楽しめる多様なコースがあり、都心からわずか50分で森林浴と涼しさを体験できる身近な自然の楽園です。夏の週末や祝日、都会の灼熱から逃れて豊かな緑と清らかな水、さわやかな風に身を委ねて、日常から離れてみませんか。きっと素晴らしい一日になるでしょう。
《 参考情報 》

