庭づくり(コリウス編)

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夏のガーデンを彩る魅惑の葉っぱアート

コリウスは、シソ科コリウス属(旧メコノプシス属)の特別な植物です。熱帯アジアやアフリカの豊かな自然の中で進化を遂げてきました。

日本では「錦紫蘇(キンシソ)」という優美な和名で親しまれており、この名は葉の艶やかな色彩と模様に由来します。春から秋まで長期にわたって生育し、季節とともに変化する美しい葉の表情を見せてくれます。

コリウスの最大の魅力は、自然が描いた絵画のような、鮮やかで多彩な葉の色彩と模様です。一般的な観葉植物とは一線を画し、その葉は季節の移ろいとともに様々な表情を見せる、まさに生きた芸術作品です。他の植物が花で魅せる中、コリウスは葉だけで圧倒的な存在感を放ち、夏のガーデンやベランダ、室内空間に独特の彩りと躍動感をもたらします。

まさに自然界の色彩の魔術師と呼ぶにふさわしい植物ですね。

今回の記事では、コリウスの人気の秘密や、種類と主な系統、育て方とその楽しみ方について詳しく紹介します。

コリウスの人気の秘密

  1. 圧倒的な葉色の多様性: コリウスの最大の魅力です。赤、ピンク、黄緑、チョコレート色、黒紫など様々な色彩に加え、葉の縁取り、斑点、マーブル模様といった複雑な模様を持つ品種が多数あります。これらの組み合わせで無限の表現が可能です。
  2. 管理のしやすさと生育の速さ: 初心者でも育てやすく、基本的な水やり・肥料・摘心で美しい葉が保てます。暖かい時期には苗から急速に成長し、短期間でボリューム感のある株になります。寂しい空間を素早く彩る理想的な植物です。
  3. 寄せ植えやハンギングの主役に: その色彩の豊かさから、他の植物との組み合わせで、無限のアレンジメントが楽しめます。特に、花が少ない夏の時期のガーデンにおいて、コリウスの葉の美しさは貴重な彩りとなります。ハンギングバスケットに植えれば、茎が垂れ下がり、より一層の美しさを発揮します。
  4. 日陰でも育つ品種が多い: 多くの植物が日当たりを好む中で、コリウスには半日陰から日陰を好む品種も多く、日陰になりがちな場所のグランドカバーや、明るい彩りとして活躍してくれます。ただし、品種によって必要な日照量が異なるため、購入時に確認することが重要です。

種類と主な系統

現在流通しているコリウスの品種は非常に多く、その多くは園芸品種として改良されたものです。大きく分けると、草丈や葉の形、耐性などでいくつかの系統に分類できます。

コリウスの園芸種は毎年新種が登場し、多彩な形状と色で庭を活気づけます。夏場は色彩が鮮明になり、他の植物と組み合わせることで個性的な空間を演出できますね。

一般的な葉形の種類

  • オーソドックスな卵形・楕円形: 最もよく見られるタイプで、葉色や模様のバリエーションが豊富です。

  • 切れ込みのある葉(フリル葉、波打つ葉): 葉の縁が波打ったり、細かく切れ込んだりしており、立体感と動きのある印象を与えます。

  • 細葉・槍葉: 細長い葉や槍のような形の葉を持つ品種で、繊細な印象です。

草丈による分類

  • 矮性種(わいせいしゅ): 草丈が低くコンパクトにまとまる品種で、鉢植えや寄せ植えの前面、グランドカバーに適しています。
  • 中性種: 一般的な草丈で、花壇や寄せ植えの中心、単体植えなど、幅広い用途で使われます。
  • 高性種: 草丈が高くなる品種で、花壇の後方や、存在感を出したい場所に最適です。
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耐性による分類

  • 日向向き品種: 日光を好む品種で、日差しが強い場所でも葉色が鮮やかに発色します。ただし、真夏の強すぎる直射日光は葉焼けの原因になることもあるため、注意が必要です。
  • 日陰向き品種: 半日陰から日陰でも葉色が美しく保たれる品種です。日差しが強すぎると葉焼けを起こしたり、葉色が薄くなったりすることがあります。

具体的な品種名としては、「レモンツィスト(ライムグリーンと赤のコントラスト)」、「チョコレートドリップ(黒紫とグリーンの斑入り)」、「ときめきリンダ(ピンクと緑の複色)」など、数えきれないほど多くの品種が流通しており、毎年新しい品種も登場しています。

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コリウスの育て方

コリウスは比較的丈夫な植物ですが、基本的なポイントを押さえることで、より長く、美しく楽しむことができます。

植え付け

    • 時期: 暖かくなる4月下旬~6月頃が適期です。霜の心配がなくなってから植え付けましょう。
    • 場所: 品種によって日向~半日陰を選びます。日向を好む品種でも、真夏の午後の強い直射日光は避けた方が葉焼けしにくくなります。風通しの良い場所を選びましょう。
    • 土: 水はけの良い土を好みます。市販の草花用培養土で十分です。地植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜて、水はけと保肥力を高めましょう。
    • 植え方: 根鉢を軽く崩し、苗の高さに合わせて植え付けます。株間は品種の大きさに合わせて20~30cm程度空けましょう。

水やり

    • 地植え: 根付いた後は基本的に雨水で十分ですが、日照りが続く場合は水を与えましょう。
    • 鉢植え: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。特に生育期の夏場は水切れを起こしやすいので、朝晩の確認が必要です。

肥料

    • 植え付け時に、緩効性化成肥料を元肥として土に混ぜ込みます。
    • 生育期(5月~9月頃)には、月に1~2回程度、液体肥料を与えましょう。葉を鑑賞する植物なので、窒素分の多い肥料を選ぶと葉色が鮮やかになります。

剪定(摘心・切り戻し)

    • 摘心(てきしん): 苗が小さいうちに茎の先端を摘み取ることで、わき芽が伸びて枝数が増え、こんもりとした株に育ちます。
    • 花穂(かすい)の除去: コリウスは花を咲かせますが、花の鑑賞価値は低く、花が咲くと株のエネルギーがそちらに取られ、葉の色が薄くなったり株が弱ったりします。そのため、花穂が上がってきたら早めに摘み取るのがおすすめです。
    • 切り戻し: 茎が伸びすぎたり株の形が乱れてきたら、適宜切り戻しを行いましょう。株元に近い部分から数節残して切ると、再び新しい芽が伸びてきます。

病害虫対策

    • 比較的病害虫には強いですが、アブラムシやハダニ、オンシツコナジラミなどが発生することがあります。
    • 風通しを良くし、適度な水やりで健康な株を保つことが最も効果的な予防法です。
    • 見つけ次第、早期に駆除剤を散布したり、手作業で除去したりしましょう。

コリウスの楽しみ方

コリウスはその多様な色彩と形態から、様々な楽しみ方ができます。

寄せ植えの主役・脇役として

コリウスの鮮やかな葉は夏の寄せ植えに華やかさを添えます。花と葉色を調和させたり、葉色だけで彩りを楽しんだり、シルバーリーフや斑入り植物と組み合わせると深みが増します。

花壇の彩りとして

グランドカバーのように地面を覆う品種や、背丈が高くなる品種を組み合わせて植えることで、葉のコントラストが美しい花壇を演出できます。

ハンギングバスケット

茎がしなやかに伸びる品種は、ハンギングバスケットに植えると、垂れ下がる葉が非常に美しく、立体的な飾りになります。玄関先やベランダを彩るのに最適です。

おわりに

コリウスは、夏のガーデンに欠かせない、葉の美しさを最大限に楽しむことができる植物です。その圧倒的な色彩の多様性と比較的簡単な管理で、初心者から上級者まで誰もが魅了されます。

コリウスは、切り戻しで出た茎を水に挿しておくと、簡単に根が出ます。これを土に植えれば、新しい株を増やすことができます。お気に入りの品種を増やしたり、冬越しのために苗を確保したりするのに便利です。

コリウスは耐寒性が弱いため、日本の屋外では冬越しが難しい場合が多いです。霜が降りる前に枯れてしまうため、日本では「一年草」として扱われることがほとんどです。ただし、室内の暖かい場所(10℃以上)で管理すれば冬越しも可能です。

明るい窓辺であれば、室内の観葉植物としても楽しめます。特に冬場は室内で管理することで、一年を通してその美しい葉を鑑賞できます。

ぜひ、今年の夏はコリウスを育てて、あなただけの「葉の芸術」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

《 参考情報

コリウスとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
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